2023 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ体に潜みがんシグナルを発信する変異RTK ~潜伏機構の解明と新阻害法開発~
Project/Area Number |
21K07163
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
小幡 裕希 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (20609408)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 消化管間質細胞腫 (GIST) / KITチロシンキナーゼ / ゴルジ/TGN / PKD2 / PI4KB / マスト細胞白血病 (MCL) / 急性骨髄性白血病 (AML) / FLT3 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの複数種の化合物スクリーニングによって、消化管間質細胞腫 (gastrointestinal stromal tumor: GIST) のKIT変異体のゴルジ領域停留の原因が、膜交通のキー分子protein kinase D2 (PKD2) であることを明らかにした。本年度は、PKD下流とされるPI4-kinase B (PI4KB) およびそのエフェクターであるAP1, GGA1についての役割を解析した。 PI4KBに対するインヒビターIN-10やPIK-93を処理した際や、AP1, GGA1のノックダウンは、PKD2ノックダウンと同様に、KIT変異体をゴルジ領域からリリースさせ、その結果、KITシグナルを抑制した。ゴルジ領域からリリースされたKITは、細胞膜を経由して速やかにリソソーム内腔に移行し、分解されることを明らかにした。マスト細胞白血病 (mast cell leukemia: MCL) や急性骨髄性白血病 (acute myelogenous leukemia: AML) のKIT変異体は、ゴルジ体に停留せず、エンドソーム-リソソーム系に局在するが、それらの細胞では、PKD2-PI4KB-AP1, GGA1とKITの物理的結合は認められなかった。さらに、PKD2-PI4KB-AP1, GGA1の阻害は、AMLのFLT3変異体のゴルジ停留にも影響しないことが確認され、本研究で明らかにした経路は、GISTに特徴的であることが示唆される。現在、介在分子や他エフェクターも明らかになりつつあり、詳細な分子機構の解明が期待される。一方で、他がんの変異チロシンキナーゼの局在異常は、PKD2非依存的であり、個別にメカニズム解析する必要があることが示唆される。
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[Journal Article] Brefeldin A and M-COPA block the export of RTKs from the endoplasmic reticulum via simultaneous inactivation of ARF1, ARF4, and ARF52023
Author(s)
Natsume M, Niwa M, Ichikawa S, Okamoto T, Tsutsui H, Usukura D, Murata T, Abe R, Shimonaka M, Nishida T, Shiina I & Obata Y.
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Journal Title
bioRxiv
Volume: -
Pages: -
DOI
Open Access
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