2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of ligands of cancer-specific monomorphic major histocompatibility complexes and development of novel antibody therapies
Project/Area Number |
21K07214
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
磯部 正治 富山大学, 学術研究部工学系, 特別研究教授 (70211050)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MR1 / T細胞受容体様抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんを対象とする新規治療用抗体開発現場では、がん細胞表面で特異に発現する標的分子 の枯渇が大きな課題となっている。T細胞受容体(TCR)のエピトープで あるペプチド/ヒト白血球抗原複合体(pHLA)に対して高い特異性と親和性で結合する「T細胞受容体様抗体 (TCRm-Ab)」は、従来の抗体療法では対象とできなかった細胞内がん抗原を標的化できるとして期待されている。しかしHLAには多数の多形が存在するため、従来のTCRm-Ab ではHLA型が一致する患者にしか適用できないという課題があった。近年、MHC class I-related protein (MR1)と呼ばれる単形性の主要組織適合性抗原(MHC)分子が、がん細胞内で特異的に生成される代謝物由来のリガンドを抗原提示し、この抗原を認識するT細胞(MR1T)が、種々のがん細胞を除去する能力を持つと報告された。そこで本研究では、この抗原分子に着目し、本分子を認識するTCRm-Abを単離することで、広範ながん患者に対して共通して利用可能な、治療用TCRm-Abの開発を目指し研究を行っている。 本研究では免疫抗原用ならびにリガンドの構造解析用に、MR1T細胞によって認識されることが既に分かっている細胞株からのX-MR1分子の大量精製を目指している。精製用のタグを付加したMR1遺伝子を作製し、本遺伝子を細胞株に導入することで強制発現と精製を行いつつある。また、研究の成否に関わる事項として、使用した細胞株が目的の機能を有するリガンドを載せたMR1分子を正しく発現しているかどうかについての検証も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究を進めた結果、使用した細胞株が正しいリガンドを載せたMR1分子を発現しているか否かの検証が必須であることが判明した。そのため、それを検証するためのモデル系の構築がまず必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、使用する細胞株において、正しいリガンドを載せたMR1分子の存在を確認し、その上で当初計画に沿ったMR1分子の大量精製を進める予定である。
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Causes of Carryover |
MR1分子の強制発現に必要な細胞培養用無血清培地等の入手が困難であったことに加え、発現用細胞株が目的のリガンドを載せたMR1分子を発現しているか否かについて検証するための実験系開発に時間を要したため。次年度は培地の確保や検証に見通しが付いたことから、計画に沿って研究を進める。
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