2021 Fiscal Year Research-status Report
ALSのTDP-43病理多型を規定する遺伝的因子の探索
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21K07272
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石原 智彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70612232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
他田 真理 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30646394)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は神経変性疾患のALS(筋萎縮性側索硬化症: amyotrophic lateral sclerosis)剖検例での網羅的遺伝子解析(エクソーム解析)を主たる目的としている。ALSにおける遺伝子変異の解析は、その病態生理の理解、予後評価、治療法開発に貢献しうる。 2021年度には8検体由来の病理検体から抽出したDNAを用いて新規エクソーム解析を実施し、既存のALS原因40遺伝子の変異について検討した。ミスセンス、ナンセンス、スプライシング変異などの変異の種類、データベース上の変異頻度に基づく解析では、有意な変異を認めなかった。 また新規遺伝子候補を検索するため、テキストマイニングとPubmed データベースでの抄録を用いた解析を実施した。2000年~2019年までの163948論文を対象に、RNA binding protein 1164遺伝子について既知のALS原因遺伝子とのベクトルの類似性を検討し、複数の候補遺伝子を見出した。さら候補遺伝子由来の蛋白質について、既知のALS原因遺伝子との類似性を評価した。評価項目には天然変性領域、プリオンドメイン構造の割合を用いた。その結果、テキストマイニング評価で見出された候補遺伝子は、統計学的に有意にこれらの特徴を持つことを確認した。当施設保有のALS剖検例のうち、既知の遺伝子変異保有例を除外した108例のエクソームデータを確認したところ、8/108例(7.4%)で候補遺伝子変異を見出した。引き続きこれら遺伝子変異の病態意義の解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した予定に準じ、解析を行えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実施計画どおり,研究を継続する。
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Causes of Carryover |
解析対象とする病理検体の選定に時間を要したため、次年度使用額が生じた。 翌年度予算として請求した助成金とあわせて、遺伝子の網羅的解析(エクソーム解析)を継続する。
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