2021 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の抗腫瘍免疫のアクセル機能を評価できる血液中バイオマーカー評価法の開発
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21K07370
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大西 紘二 熊本大学, 病院, 特任准教授 (40613378)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ節マクロファージ / 大腸がん / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究課題において、我々はIFNαで活性化されたCD169高発現マクロファージを対象としてマイクロアレイ解析を行い、複数の細胞外分泌因子の発現が特に高い傾向があることを見だした。その中でも発言量が比較的高く、がん細胞の増殖への関与が知られているCCL8とCXCL10のケモカインに着目した。過去に切除術が実施された大腸がん患者48例の凍結保存血清を対象として、リンパ節検体におけるリンパ節マクロファージのCD169発現量と、患者血清中のCCL8、CXCL10の濃度を測定した。リンパ節マクロファージのCD169発現については免疫組織化学、血清中のケモカイン濃度についてはELISA法で測定した。リンパ節マクロファージのCD169発現量と、CCL8またはCXCL10濃度の相関についてPearsonの相関分析を行うと、相関係数はそれぞれ 0.26, 0.08 であり、p値(両側検定)はそれぞれ 0.078, 0.96 であった。リンパ節マクロファージのCCL8またはCXCL10発現を免疫組織化学的に解析すると、マクロファージにおける陽性率はそれぞれ約 30%, 約 10% であった。 今後は ISH 法を用いてこれらのケモカイン発現細胞を分析して、血清中ケモカイン濃度とリンパ節マクロファージとの関連を詳細に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者血清検体を対象としたケモカイン濃度測定が実施でき、ある程度の統計学的解析を実施することを達成できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の実験結果に加えて、ISH 法によるケモカイン発現細胞の詳細な解析を加える予定である。また、そのほかの候補分子を対象とした解析、その他の癌種での同様の解析も検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当該年度では、COVID-19感染再拡大による学会や出張の停止などの影響で旅費に関わる支出が無く、使用額が予定よりもやや少ない状況となった。次年度では ISH 法による組織解析の実験計画を新たに加えることで、使用していく予定にしている。
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