2021 Fiscal Year Research-status Report
環境要因による腸内フローラの変化が認知機能に影響するか
Project/Area Number |
21K07373
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石田 明夫 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡嘉敷 崇 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (10336365)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知機能 / 腸内細菌 / 血管機能 / 動脈スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化に伴い認知症は有病率が急速に増加しているが、未だ有効な治療戦略を見いだせていない。日本から米国に移住した日系人では、血管性認知症を発症しやすい遺伝的背景を有しながらも、西欧に多いアルツハイマー型認知症が増加する可能性が示されている。また、脳心血管病による死亡率も、日系移民では欧米型に変化する現象が報告されており、食生活を含めた生活様式の変化が認知機能や血管機能に与える影響は大きい。沖縄はハワイへの移民が多く、沖縄県系ハワイ移民およびその子孫は、長寿食である伝統的沖縄型食事に欧米食を取り入れて現地の生活に適応し、現在も活発なコミュニティ活動を続けている。我々の予備調査では、ハワイ在住沖縄県系人は沖縄在住者より肥満は多いが、認知機能は優れている可能性があった。遺伝的要因を共通とし、環境因子が劇的に変化したハワイ在住沖縄県系人と沖縄在住者の腸内フローラの違いに着目し、認知機能や血管機能との関連を明らかにする予定である。今年度は沖縄在住者のデータを収集する予定であったが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、疫学調査を実施することはできなかった。また、ハワイへの渡航もできなかったため、ハワイにおける疫学調査準備を進めることはできなかった。令和4年度に開始する宜野湾市と琉球大学による市民の健康づくりのためのプロジェクト連携事業に参加し、自治体・自治会・老人会の協力を得て、本研究を円滑に進めることができるように準備を整えている。地域在住高齢者およびその家族を対象として研究調査を進められるように研究プロトコール・倫理審査書類を変更・申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症パンデミックのため、2021年度に予定していた沖縄県在住者およびハワイにおける疫学調査が実施できなかった。そのため、2021年度に収集する予定であったデータを取得できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、研究計画を1年遅らせて実施する。行政機関である沖縄県宜野湾市と大学の連携プロジェクトに参加することが決まったため、自治体の協力を得て複数の自治会コミュニティーに働きかけ、データ収集のための疫学調査を実施する。また、住民検診データなどを利用させていただくよう調整している。本研究は地域住民を対象とした研究で、認知機能や血管機能評価は対面で実施する必要があり、新型コロナウイルス感染症の状況をみて調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、沖縄県では新型コロナウイルス感染症が収束しなかったため、2021年度に予定していた沖縄県在住者およびハワイにおける疫学調査が実施できなかった。そのため、2021年度に収集する予定であったデータを取得できなかった。研究計画を1年遅らせて次年度に実施する予定のため生じた。
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