2022 Fiscal Year Research-status Report
環境要因による腸内フローラの変化が認知機能に影響するか
Project/Area Number |
21K07373
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石田 明夫 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡嘉敷 崇 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (10336365)
池松 真也 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 教授 (40442488)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知機能 / 腸内細菌 / 血管機能 / 動脈スティフネス |
Outline of Annual Research Achievements |
長年の食生活を含めた生活習慣の変化はヒトの腸内フローラを大きく変動させ、その結果、宿主であるヒトの健康状態に影響する可能性がある。沖縄在住者と遺伝的背景を共通とし、食生活を含めた生活環境が劇的に変化したハワイ在住沖縄県系人における疾病構造の変化に腸内フローラの変化が関与している可能性を検証する。本研究では、2つの地域住民のデータを比較し、認知機能や血管機能と腸内フローラを明らかにする計画である。しかし、新型コロナウイルス感染症パンデミックのため住民検診や人間ドック受診者が激減し、両地域で研究参加者をリクルートすることができなかった。 そこで、研究対象者を沖縄県地域在住住民に変更し、新たに自治体・自治会などのご協力を得て、研究参加者をリクルートし、問診データ(家族構成、生活歴、生活習慣、教育歴など)、身体測定データ(体組成、BMIなど)、認知機能検査(MMSE、MoCA-J、CDR、SPMT、TMTなど)、血管機能検査(四肢血圧、ABI、baPWV、中心血行動態指標)、フレイルやヘルスリテラシー評価、終末糖化産物測定、血液、尿、便検査などの網羅的データ収集を行なった。現時点で160名の研究参加者、6家系の3世代からデータを収集した。今後計測・解析を進め、データベースを作成していく。 2022年度当初は研究参加者をリクルートすることができなかったため、既存のデータベースを用いて、認知機能の危険因子である脳小血管病に及ぼす動脈スティフネスと血圧のインパクトの違いを解析した。その結果、血圧にかかわらず動脈スティフネスが脳小血管病との関連が強いことを明らかにした。腸内フローラが動脈スティフネスに影響を与える可能性が報告されており、血管機能と認知機能の関連を腸内フローラに着目して検討を進める意義を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症パンデミックのため対象者リクルートが予定より1年遅れたが、研究参加者のリクルート、データ収集は進んでいる。しかし、ハワイ在住沖縄県系人のデータ収集ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
沖縄県在住者のデータベースを構築してデータ固定を行い、沖縄県在住者の臨床的特徴と腸内フローラの関連性を検討していく。今後、ハワイ大学と連携し、構築したそれぞれのデータベースを共有して解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
検体採取に時間を要したため、令和4年度中に行う予定だった腸内フローラのメタゲノム解析を終了することができなかった。そのため令和5年度に繰り越して、全検体のメタゲノム解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)