2023 Fiscal Year Annual Research Report
コホート研究による子どもの自殺関連因子と予測因子の解明
Project/Area Number |
21K07475
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
栗林 理人 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80261436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
足立 匡基 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50637329) [Withdrawn]
長田 真人 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50964938)
高橋 芳雄 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 講師 (70760891) [Withdrawn]
新川 広樹 弘前大学, 教育学部, 助教 (10848295) [Withdrawn]
森 裕幸 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (60848307) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 学校コホート / ソーシャルキャピタル / 自殺関連因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルキャピタルとは、対人関係における協調運動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考えのもとで、社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念である。ソーシャルキャピタルは、子どもたちに影響する。抑うつは、自殺要因の一つで、自殺と大きな相関があり、子どもたちの抑うつは十分に検討される必要がある。私たちは学校のソーシャルキャピタルと抑うつとの関係を調べた。対象は4235人の小中学生である。スクールソーシャルキャピタルをSCQ-ASのサブスケールのschool trustとsocial cohesionのデータを用い、抑うつは、DSRS-Cのデーターを用いた。結果は、1つ目として、学校のソーシャルキャピタルの平均値を独立変数、抑うつの平均値を従属変数とする曲線推定をしたところ、学校の抑うつの約68%をソーシャルキャピタルで説明できた。2つ目として、クラスのソーシャルキャピタルの平均値を独立変数抑うつの平均値を従属変数とする曲線推定をしたところ、クラスの抑うつの約56%をソーシャルキャピタルで説明できた。 うつ病の発生率は青年期に急激に増加。思春期のうつ病や、自傷行為などの併発する問題の割合が、多くの国で上昇している。うつ病は自殺要因の大きな要素であり、自殺対策にうつ病予防は重要である。また、学校は、予防的介入の潜在的な環境で、メンタルヘルスの問題を予防するための学校ベースの介入は、学校の環境を変える。学校全体の介入は、学校の文化、風土、価値観を変えることを目的とする。思春期の抑うつ症状は、健康増進と社会情緒的スキルを標的とした学校全体の介入によって軽減できるというエビデンスがある。私たちの結果からも、学校風土、クラスや学校のソーシャルキャピタルに介入することで抑うつを介する自殺予防対策として有効である可能性を示した。
|