2023 Fiscal Year Annual Research Report
MIFに着目した低酸素暴露と統合失調症を結ぶ分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K07520
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡崎 賢志 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70722867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 典臣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80814566)
蓬莱 政 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90817826)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症 / MIF / HIF / 低酸素 / SNP / アストロサイト / 神経幹細胞 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は世界的に有病率約1%のありふれた疾患であるが、その生物学的基盤は明らかでなく、診断や治療は症状と経過に依存している。本研究の目的は、統合失調症の病態機序において、低酸素―低酸素誘導因子(HIF)―マクロファージ遊走阻止因子(MIF)経路の役割を明らかにし、治療標的やバイオマーカーとして臨床応用へ展開するための研究基盤を確立することである。 R5年度の実験としては、統合失調症患者と健常対照者の末梢血由来DNAを用いて、MIF遺伝子プロモーター領域に存在する、HIF結合部位である低酸素応答領域(HRE)に存在するSNPの多型解析を継続して行っている。前年度で見出した結果について、独立したサンプルを用いての解析を行った。新生仔C57BL/6マウス皮質由来アストロサイトの初代培養系を用いて、低酸素によるアストロサイトのMIF発現機構の解析を継続した。HIF活性化因子であるML228によるMIF mRNAの有意な増加、低酸素処置によるMIF mRNAとMIF蛋白が低酸素条件で有意に増加などの興味深い結果を得た。マウスMIF遺伝子プロモーター領域においても、ヒトMIF遺伝子と相同するHRE領域が存在する。低酸素応答におけるMIF遺伝子発現機構について、ルシフェラーゼアッセイ法を用いて、プロモーター活性に変化の解析を進め、興味深い結果を得ている。新生仔マウス海馬由来神経幹細胞の初代培養系も継続。患者および健常者由来iPS細胞の集積と培養も継続している。 統合失調症はありふれた疾患であるの解明は遅れている。MIFに着目した統合失調症の研究は世界に先駆けて報告しており、統合失調症の生物学的機序の解明に大きく貢献できると考える。
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[Presentation] メタンフェタミン依存症におけるエピジェネティ・クロック解析2023
Author(s)
白井寿行, 竹村幸洋, 谷藤貴紀, 岡﨑賢志, 大塚郁夫, 新光穣, 岡田将平, 宮地真生, 蓬莱政, 毛利健太朗, 麻生克郎, 山本訓也, 菱本明豊
Organizer
第45回日本生物学的精神医学会