2021 Fiscal Year Research-status Report
神経回路イメージングによる脳機能理解と病態メカニズム制御
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21K07580
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
下條 雅文 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員 (20455348)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経回路 / 生体脳イメージング / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、生体イメージングを基軸として脳深部回路を構成する多細胞活動を脳局所と全脳範囲で画像計測する技術の確立を目指し、以下の2点に取り組んだ。 1) 大脳神経回路における細胞活動の画像計測 プロモーター活性に依存して細胞選択的な蛍光蛋白質の発現誘導を可能とするアデノ随伴ウイルスベクターを調整し、マウス大脳皮質に遺伝子導入する事を通じてニューロンやアストロサイトへの標識が実現された。同手法を活用してカルシウムセンサー蛍光蛋白質GCaMPを大脳皮質の神経細胞に発現させた遺伝子改変動物を作製し、覚醒下において知覚刺激などにより細胞活動が賦活される様子を二光子顕微鏡でイメージングできる事が実証された。 2) 細胞活動の全脳イメージング 全脳範囲のニューロンやアストロサイトに遺伝子発現を誘導する方法をいくつか検討する中で、血液脳関門を透過可能とする血清型PHPeBでパッケージングしたアデノ随伴ウイルスベクターを静脈より投与する事により、簡便かつ安定して遺伝子改変マウスを作製できる事が実証された。また、ウイルス力価やマウス遺伝子背景と導入効率の相関、脳内発現分布、プロモーター制御による細胞選択性などいくつかの技術的な側面を検討し、認知症モデル動物への適用も十分に実現可能である事が見いだされた。一方、ポジトロン断層撮像法(PET)に適用可能なレポーターシステム開発に着実な進捗が得られたので、細胞動態のマクロイメージングへの道筋も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、アデノ随伴ウイルスベクターを利用した細胞選択的な遺伝子導入と細胞活動の計測に向けた技術基盤が確立され、全脳範囲での細胞活動イメージングに向けた取り組みについても順調な進展が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き細胞活動の生体イメージングとその画像解析を基軸とする技術基盤の確立を進めつつ、多細胞活動の相互作用の解析や認知症モデル動物脳において病態と付随した回路異常の画像計測に向けた取り組みを進める。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】遺伝子改変動物の繁殖状況により、当初予定していた計画実施順序に修正の必要が生じため。【使用計画】次年度計画に予定を組み込み、改めて実施を計画する。
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Research Products
(9 results)