2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of LET-controlled heavy ion radiotherapy for pancreatic cancer for increased local control rate
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21K07633
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 滋 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 病院長 (80311380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲庭 拓 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, グループリーダー (10446536)
瀧山 博年 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院 治療診断部, 医長 (30839113)
篠藤 誠 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院 治療診断部, 医長 (50551503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / 重粒子線治療 / 強度変調 / LET制御 / 線量増加 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は放射線抵抗性腫瘍である上に、周囲には放射線感受性の高い重要臓器(特に消化管)が近接することから、従来のX線治療では腫瘍制御に十分な線量を投与することが困難であった。難治がんの代表である膵癌克服を目指して、重粒子線治療を用いた新規治療開発が行われ、良好な治療成績が示されてきた。しかし、切除不能な膵癌に対して非手術療法での長期生存、根治を目指すため、さらなる技術革新が必要である。本研究では、世界で初めて当研究所が開発したLET(Linear energy transfer:線エネルギー付与)制御重粒子線治療を用いた重粒子線のLET最適化法の安全性を検証する。さらに、当研究所で世界発の超伝導磁石を用いた回転ガントリー、スキャニング照射(細いビームを用いてターゲットの形に合わせて塗りつぶすように照射する方法)、強度偏重照射の応用技術である標的体積内同時ブースト(SIB:simultaneous integrated boost)法を用いた線量増加を同時に行う。「量」(照射線量)のコントロールのみならず、重粒子線治療の利点である「質」(線質)のコントロールを行う新たな治療計画法を開発し、治療の安全性を評価する。そのために膵癌に対する重粒子線治療の線量増加第I相試験を策定し、12回照射で55.2Gy(RBE)から67.2Gy(RBE)まで4段階の線量増加を行い安全性を評価する。2021年度から本試験を開始し、順調に症例登録が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究に引き続き、dose level 1にてさらに1例の治療を行った。Lv1での治療例3例を90日間経過観察し、用量制限毒性(DLT)を1例も認めなかった。続いてdose level 2(重粒子線線量 60 Gy (RBE)/12分割、最小線量平均LET;44keV/um)にて3例の治療を施行した。全例予定通りの治療を完遂し、DLTを1例も認めなかった。2023年度よりdose level 3にて治療登録再開予定である。DLTを認めず、順調に登録が進めば、残り1年で、予定した最高線量であるdose level 4までの登録を終了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、安全性を確認しつつ症例登録を継続する。最高設定線量であるdose level 4までの治療を終了後、安全性確認、推奨線量決定の予定である。試験結果を公表するとともに、推奨線量を用いた次期第2相試験を立案する。
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Causes of Carryover |
当該年度は新型コロナウイルス感染流行のため、学会や研究会に参加することができませんでした。そのため、次年度に諸費として使用する予定です。
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