2021 Fiscal Year Research-status Report
新規ホウ素製剤による同種造血幹細胞移植後の閉塞性細気管支炎治療の開発
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21K07730
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西森 久和 岡山大学, 大学病院, 助教 (70756064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 篤史 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10771082)
前田 嘉信 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60403474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 同種造血幹細胞移植 / 閉塞性細気管支炎 / ホウ素中性子捕捉療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
同種造血幹細胞移植後の肺合併症として閉塞性細気管支炎が知られています。この合併症についてマウスモデルを用いて再現できることが報告されており、当研究室内でも安定して合併症を発症できる系として確立しています。本年度は、このマウスモデルの基礎的データを収集するために、移植後におけるケモカインの発現に関して、蛋白レベルのみならずmRNAレベルでも解析を実施しました。さらに、移植後肺合併症をきたすメカニズムとしての肺内への移植細胞の移行とその細胞の種類についても解析を実施しました。この肺合併症に対する、新しい治療法として、ホウ素中性子捕捉療法を本研究のテーマとしております。新規ホウ素製剤OKD-001は、岡山大学で開発されたペプチドA6K水溶液(スリー・ディー・マトリックス社)とホウ素薬剤BSH水溶剤の混合剤ですが、両剤を混合することによりナノ粒子様構造体が形成され、細胞内に取り込まれることを見出しております。今年度はこれを再確認し、OKD-001が実際に活性化リンパ球およびマクロファージに効率よく取り込まれることを証明するために、まず、マウスモデルにおいて、活性化リンパ球、およびマクロファージを採取して、in vitroでOKD-001を加える実験を施行すること、また細胞内のホウ素濃度の時間的推移はICP質量分析装置(ICP-MS)(岡山大学資源植物科学研究所内)にて測定し、細胞内の効率よくとりこまれるCD44発現および至適条件を明らかにすることを予定しておりましたが、コロナ禍の中で施設移動等によるコロナ感染のリスクを鑑みて、安全に移動などが可能と判断できるタイミングで施行することといたしました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の中、移動による感染リスクを鑑みて、施設間をまたぐ形での実験を自粛したため。
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Strategy for Future Research Activity |
新規ホウ素製剤OKD-001を実際に用いた実験を今年度は計画書をもとに進めて参ります。施設間の移動についても感染対策を万全にした上で実施を予定します。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中、予定した実験を遂行できなかったため、次年度にこれらの実験を予定します。
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