2023 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫のがん微小環境制御における間葉系幹細胞の役割に関する研究
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21K07750
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西村 範行 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00322719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 暢之 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20596043)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高リスク神経芽腫 / 微小残存病変 / 間葉系幹細胞 / 治療誘発細胞老化 / 細胞老化随伴分泌現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫は、神経堤細胞が交感神経系へ分化する過程で発生する代表的な小児難治性固形がんで、小児がん死亡の約15%を占めている。特に、高リスク神経芽腫患者では、大部分は一旦治療に反応して寛解に達するが、半数以上は再発して治療抵抗性を獲得し、その長期生存率は未だ50%に満たない。神経芽腫の再発には、治療後に微小残存病変(MRD)として体内に残存したがん細胞が再活性化し、異なる形質を示すようになることが重要だと考えられる。化学療法や放射線療法は、治療後に亜致死となったがん細胞および微小環境中の間質細胞に細胞老化を誘導(治療誘発細胞老化:TIS)し、エクソソームやサイトカイン等の分泌(細胞老化随伴分泌現象:SASP)を促しており、治療抵抗性の獲得メカニズムを理解するためには、がん細胞の異なる形質の発現を担う分泌因子の同定が必須だと考えられる。これまでに申請者らは、MRDの新規評価法を開発してその動態を明らかにすると共に、神経芽腫細胞と微小環境の主要な構成細胞で分泌活性の高い間葉系幹細胞(MSC)との相互作用を明らかにしてきた。そこで本研究では、MSCのSASPによって分泌される分子を同定し、その機能を明らかにすることを試みた。これまでに、高リスク神経芽腫治療に用いられるシスプラチン(CDDP)およびテモゾロミド(TMZ)による骨髄由来MSC(BM-MSC)のSASP分子群の神経芽腫細胞株およびBM-MSCに対する作用を明らかにしたので、本年度の研究では、それらの高リスク神経芽腫患者の治療経過中における動態を明らかにした。
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[Presentation] Prospective multicenter observational study aimed at validating a prognostic value of minimal residual disease in high-risk neuroblastoma patients2023
Author(s)
Nishimura N, Ishida T, Yokota I, Matsumoto K, Shichino H, Fujisaki H, Sarashina T, Kamijo T, Takimoto T, Iehara T, Tajiri T.
Organizer
第64回日本小児血液・がん学会学術集会