2022 Fiscal Year Research-status Report
Molecular analysis of Prader-Willi syndrome by model mice
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21K07848
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木住野 達也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医歯薬学総合研究系), 准教授 (70315232)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Magel2 / Snrpn / プラダーウウィリー症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム編集技術を用いてプラダー・ウィリー症候群責任領域の複数の遺伝子の遺伝子改変マウスを作製した。2021年度にはSnrpn, Snord116, Snord115の遺伝子の欠失マウスを作製したので、2022年度は新たにMkrn3,Magel2, Ndnの遺伝子改変マウスを作製した。 これら各遺伝子、および複数の遺伝子をloxで挟むようにデザインした遺伝子改変マウスを作製し、cre発現マウスと交配することにより父親アレルあるいは母親アレルを欠失するようにした。母親アレルを欠失したマウスは体重増加の異常を認めなかった。父親アレルを欠失したマウスで新生児期体重増加不良を認めたのは、Magel2を含む複数の遺伝子を欠失したマウスであった。またNdn上流に存在するmicroRNAの父親由来アレルの欠失によっても新生児期体重増加不良を認めた。このmicroRNAはインプリンティングを受けており、プラダー・ウィリー症候群モデルマウスのマウス独特の表現型に関与していると考えられるが、現在詳細な解析を行っている。 2021年度に作製したSnrpn exon1上流6kbからエクソン1までを欠失したマウスは新生児期致死ではなかったが、新生児期体重増加不良をみとめた。新生児期脳における遺伝子発現を定量PCR法にて解析したところSnord116の発現低下に加え、Mkrn3,Magel2, Ndnの発現の低下を認め、特にMagel2の発現の低下が体重増加不良に関与していると考えられた。一方、Snrpnイントロン1にはエンハンサーの存在が示唆されていたので、イントロン1を様々な長さで欠失させたマウスを作製した。これらのマウスの遺伝子発現解析からエンハンサー領域を特定し、Snord116、115のエンハンサーとして機能していることを、日本分子生物学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム編集を用いた遺伝子改変マウスの作製は順調に進んでいる。数種類の遺伝子改変マウスの表現型の違いから、病態解析が可能になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集技術を用いてプラダー・ウィリー症候群責任領域のSnrpn exon1上流を様々な長さで欠失したマウスを作製し、新たなプラダー・ウィリー・インプリンティングセンター欠失マウスの作製をめざす。また新生児期致死及び新生児期体重増加不良を認めるマウスのrescueとして、母親アレルを欠失したアンジェルマン症候群・インプリンティングセンター欠失マウスの作製に着手し、交配によりrescueできないか検討する。さらにはこれら作製された様々マウスの新生児脳からRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いたRNA-seqを行い、新生児期期致死、体重増加不良の原因遺伝子の検索を行う。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスの作製が順調に進み、作製にかかる費用が予想以上に少なかったため次年度使用額が生じた。当金額は翌年分として請求した助成金と合わせて、さらなる遺伝子改変マウスの作製に使用する予定である。
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