2023 Fiscal Year Annual Research Report
後天的ゲノム修飾による膵腫瘍環境リモデリング機構の検証
Project/Area Number |
21K07886
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中井 陽介 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80466755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 敬介 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (20396948)
高橋 良太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80647660)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵臓癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌においては変異などの遺伝子異常のみならず、エピジェネテイクス環境が特異的に構築されている。エピジェネテイクス制御とはDNAメチル化やヒストン修飾の総称であり、細胞分化、代謝状態や免疫応答と関連して多彩な機序で癌の性質に影響を及ぼしうる。実際にエピジェネテイクス修飾酵素のゲノム変異が膵癌で見出され、その重要性が示唆されている。膵癌の特徴的な線維性間質による微小環境においては、癌随伴性線維芽細胞(CAF)が膠原線維などの基質や増殖因子を産生し、免疫細胞とのせめぎあいの中で癌の進展や治療に対する抵抗性を誘導する。免疫細胞のプロファイルも腫瘍進展に直結するが、最近報告された膵癌細胞内オートファジー依存性MHC-1分子の分解による免疫回避など、未知の免疫応答機序が示唆される。前研究で膵癌組織内CAFの活性化とエピジェネテイクス制御について報告したが、免疫細胞プロファイルを含めた微小環境理モデリングの分子機構には未知の点が多い。本研究ではエピジェネテイクス制御化合物によって生じる影響の解析を通して、多様なCAFおよび免疫細胞リモデリングの分子機構と腫瘍生物学的意義を検討する。倫理委員会承認のもと、内視鏡的生検検体から患者微量検体を増幅培養し、その特性および腫瘍内多様性を維持したまま解析可能なオルガノイドとゼノグラフトシステムを構築した。それらは原発巣の性質を良く再現・維持し、既報通りin vitro オルガノイド培養も原発巣の腺管構造を維持していた。このシステムは患者各々の膵癌組織の解析を可能とした。前検討では、このヒト膵癌オルガノイド培養系3ラインを用いて、約100種類のエピゲノム阻害合物の抗腫瘍効果のスクリーニングを行った。その結果抗腫瘍効果を示す4化合物を同定した。
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