2022 Fiscal Year Research-status Report
プロテインアレイを用いた肝細胞癌に対するレンバチニブの新たなバイオマーカーの解明
Project/Area Number |
21K07964
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
友成 哲 徳島大学, 病院, 講師 (20556807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 康史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80343383)
六車 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (90325283)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レンバチニブ / 肝細胞癌 / プロテインアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
Multi-Target Agent(MTA)である分子標的治療薬ソラフェニブ、レンバチニブが進行肝癌治療のkey drugとして広く用いられているが、ソラフェニブ耐性後のレンバチニブの成績は不明であり、効果を予測するバイオマーカーの開発が求められている。本研究では、研究代表者がこれまでに樹立したソラフェニブ耐性株と親株を用いてプロテインアレイを行い、レンバチニブ関連シグナルのリン酸化を解析することでソラフェニブ耐性後のバイオマーカーとなりうる因子を明らかにし、実臨床での100例の肝癌患者の検体を用いてレンバチニブの有効性との関連を解析することを目的としている。研究代表者はこれまでに、ソラフェニブ耐性株では、レンバチニブの重要な標的遺伝子であるFGFRの主要な下流分子であるFRS2のリン酸化が親株と比較して有意に低いことを見出しており、FRS2が有用なバイオマーカーとなりうる可能性が極めて高い。令和4年度では50例程度の患者検体を集積した。これらの解析結果が今後の進行肝細胞癌おける治療戦略に寄与し、さらには新規治療薬を用いた肝癌治療の個別化に寄与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソラフェニブ耐性株を用いてレンバチニブの重要な標的遺伝子であるFGFRについて解析を行ったところ、ソラフェニブ耐性クローンであるPLC-R2ではFGFRの主要 な下流分子であるFRS2のリン酸化は親株と比較して有意に低下していた。つまりソラフェニブ耐性肝癌ではFRS2のリン酸化活性が低下していることを見出してお り、研究計画の予定通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではプロテインアレイの解析結果からソラフェニブ耐性肝癌のバイオマーカーを探索することを目的としている。まずはソラフェニブ耐性肝癌に対するレンバチニブの感受性変化が、FRS2に基づくものであることを裏付けるために、複数の肝癌細胞(PLC/PRF5、HepG2、Hep3B、HLF、HuH-7)を用いてFRS2過剰発現、FRS2ノックダウン肝癌細胞株(Lenti,Retro virus system)を樹立し、それぞれのレンバチニブに対する感受性の評価を解析する。ノックアウトする際にレポーター蛋白として蛍光蛋白を発現するようにベクターを構築しノックアウト細胞のselection及び、in vivo imagingの際に利用する。同時に親株肝癌細胞株も樹立し、樹立細胞からTotal RNAを抽出し、Real time PCRによる遺伝子発現解析によって、ノックアウト効率の確認を行う。FRS2ノックアウト細胞株を樹立後、invivoでの実験の前にin vitroでのこれまで得られた結果と同様の結果が得られるかを確認する方針である。
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