2023 Fiscal Year Annual Research Report
UV照射で可逆的に拡張‐収縮する胆道ドレナージステントの創製
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21K07991
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
殿塚 亮祐 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40532239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柚木 俊二 北海道大学, 産学・地域協働推進機構, 特任教授 (20399398)
糸井 隆夫 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60338796)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光硬化性ステント |
Outline of Annual Research Achievements |
光刺激により可逆的に硬化‐軟化を示す、従来にない消化管ステンティングのコンセプト創出を本研究の目的としバルーンで拡張可能な光応答性素材としてcoumarin化ゼラチン(CG)によるステントの作製を試みた。濃度2%の牛骨ゼラチン水溶液に7-(Carboxymethoxy)-4-methylcoumarin、架橋剤として1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide粉末を加えてCGを合成した。UV>300を照射したところ、λmaxのピーク強度は照射時間とともに減少し、CG-Aに導入されたcoumarin基間の2+2 cycloadditionが生じたことが実証された。次に、ゼラチンは室温でガラス化するためバルーン拡張が困難であり、拡張する柔軟性を付与するための可塑剤としてフルクトースを添加し、CGステントを作製した。そして、FRUで軟質化したCGシートを用いてUV架橋の実験を行なったところ、UV310照射時間とともに増加し、照射時間10 minで架橋度は71%に達し、十分な強度のUVをCGステントに照射できれば生体内でステントとしての効果を発揮できることを示唆した。しかし、本CGステントをバルーンにて拡張を試みたところ破断してしまった。一方で、生体内に留置するためのシステムを、胆管拡張用バルーンカテーテルと特注の光ファイバーを用いて作製を試みた。しかし、出力が不足しバルーン(ポリウレタン)外部まで透過するUV光は微弱であることが蛍光板を用いた定性的評価により確認された。CGステントの生体内でのバルーン拡張と架橋を実現するためには、光反応性ゼラチンの柔軟性を高めること、および高出力UV光源との接続を可能とする細径の光ファイバー、バルーン拡張デバイスの開発が課題であった。
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