2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploratory research into pathobiology mechanisms of cardiotoxicity in the trans-omics cohort of breast cancer patients treated with chemotherapy
Project/Area Number |
21K08133
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
杉村 宏一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60375079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後岡 広太郎 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (20598411)
黒住 献 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (40768735)
堀口 淳 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (70272242)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Oncocardiology / 乳癌 / 心毒性 / オミックス解析 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、乳がん治療におけるアドリアマイシン及びトラスツズマブ投与に関連する心臓合併症の問題点を克服するために、1年目の令和3年度は以下の研究を行った。 ①国際医療福祉大学成田病院における化学療法を受ける乳がん患者について乳腺外科と循環器内科において心臓の画像診断を行っていく体制を確立した。 ②CHECKHEART BC研究(2018年5月~2020年3月31日 AMED管理番号:19ek0210084h0003)と CHECKHEART BC OMICS研究(2019年11月11日~2021年9月30日 AMED管理番号:20ck0106529h0002)におけるデータベースより67名の患者に対して心臓MRI(CMR)のデータより解析を行った。左心室の収縮の指標である左室駆出率(LVEF)とglobal lomgitudinal strain(GLS)は化学療法前後で有意に低下した。同様に心筋障害のマーカーとなるnativeT1値は有意に上昇した。心毒性発生に化学療法前のNativeT1値が最も関与していた。また、CHECKHEART-BC OMICS試験においては、最終でデータベース上288名の患者が登録され、OMICSデータ利用可能な患者数は174名に至った。解析可能な174名中、心収縮低下の発生は37名(21%)であった。 ③33症例のオミックス解析を行った。有意差のあるメタボローム19種の同定を行うことができた。上位6つではsphingomyelinのSM24:0 SM24:1 SM(C26:0) SM(OH)C22:1、Cholesterol esterのCE(18:3)、phosphatidylcholineの PCae(C38:1)があげられる。現在は、各メタボロームに関して経時的な変化を合わせて心毒性のリスクになりうるのか検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年4月以降より国際医療福祉大学成田病院における化学療法を受ける乳がん患者について乳腺外科と循環器内科において心臓の画像診断を行っていく体制を確立してきており、研究を進めるための診療体制が構築されている。 CHECKHEART BC研究(2018年5月~2020年3月31日 AMED管理番号:19ek0210084h0003)と CHECKHEART BC OMICS研究(2019年11月11日~2021年9月30日 AMED管理番号:20ck0106529h0002)におけるデータベースが確立しており、新たなデータも加わり解析可能な状態が整っている。また、すでにオミックスデータ、遺伝子データも解析が進行しており結果も一部そろってきているため順調な進捗と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
オミックス解析で出てきた有意差を認めるメタボロームに関して経時的な変化を合わせて心毒性のリスクになりうるのか検討を行う予定である。また遺伝子データも合わせ、心不全のコホート研究であるCHART-2研究における約720名のゲノム・オミックス関連データと照らし合わせて関連解析を行い、化学療法による心毒性発症により関連するリスクマーカー候補を探索する予定である。
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Causes of Carryover |
データベースへのデータ入力に使用していたWEBシステムを維持する必要がなくなったため、使用予定額を下回った。今後は追加の遺伝子解析するためのジャポニカアレイパネルの費用に合わせて使用する予定である。
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Research Products
(4 results)