2023 Fiscal Year Research-status Report
巣状糸球体硬化症病変形成における内皮細胞障害・ポドサイト障害での内因性炎症の関与
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21K08220
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山縣 邦弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Calciprotein particles / FGF23 / 腎硬化症 / THMマウス / リン負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床検体での検討では、serum calcification propensity test (T50)を追加し検討した。その結果、CPP/Pi比は血清低比重リポ蛋白コレステロール値および補正カルシウム値と正の相関を示し、T50と負の相関を示した。CPP/Pi比の四分位が上昇するほどMACEリスクは増加した。血清T50およびT50/PiはいずれもMACEと関連していなかった。以上の結果を含め現在論文投稿中である。 動物実験についてはリン負荷食による腎病変、炎症の進展を観察するために、ANS(A: angiotensin II、N: nephrectomy、S: saline)マウスは、アンジオテンシンII、片腎摘出、生理食塩液を投与することで心機能・腎機能の低下をきたす心腎連関病態モデル、THM(Tsukuba hypertensive mice)は、ヒトレニンを遺伝子導入されたマウスとヒトアンジオテンシノーゲンを遺伝子導入されたマウスを交配することで高血圧を呈するマウスである。 ANSマウスでは高リン食群は3匹中1匹のみ生存で評価不能。THMマウスでは高リン食群は14匹中7匹が生存した。高リン食はPi 2.0%となるように調整した。通常食はMF(Pi 約0.8%)とした。体重は、高リン食群で負荷開始後4週以降に減少がみられた。(高リン食群22.5g、通常食群 26.3g、p<0.05(8週時点))。血圧は両群間で差がなかった。尿アルブミンは高リン食群で低値であった(高リン食群1.07 μg/day、通常食群2.89 μg/day、p = 0.129(4週時点))。腎組織(PAS染色)、心組織(MT染色)はともに明確な変化は認められなかった。そこでTHMマウスに高リン食と0.45%食塩水を負荷すると、4-6週で円柱や糸球体硬化病変などのフェノタイプの出現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験において、腎硬化症モデルにおけるリン負荷の有無による、腎糸球体変化の詳細の検討を予定していた。炎症出現などの評価の出来ているANSマウスでは、リン負荷により、観察期間に過半数が死亡するため、他の適切なモデルマウスを検索する必要がでた。THMマウスは、リン負荷により体重減少の発現はあるものの、腎病態、腎硬化症が認められず、そこでリン負荷に食塩負荷を加えることで、腎硬化症モデルでのリン負荷実験が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究については、論文投稿済みで、現在査読後の再投稿の返事待ちである。 動物実験については、THMマウスに食塩負荷した腎硬化症モデルにリン負荷の有無による腎組織における炎症病態、血管病変などの詳細な変化の検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の検査項目について、消耗品の大半を既存の物品によりまかなえたため出費を抑制することができた。来年度は、動物飼育ならび特殊飼料に加え、各種測定キット等の消耗品の購入が増加することが予想される。
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Research Products
(11 results)