2021 Fiscal Year Research-status Report
腎臓障害をきたすNAD合成系異常における エピジェネティクスの役割解明
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21K08261
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
アリフ・ウル ハサン 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (00570368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸茂 丈史 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70265817)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NAD合成 / エピジェネティクス / 急性腎障害 / 糖尿病性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 急性腎障害(AKI)でNAD生合成低下が生じる分子機構の解明について: エピジェネティック機構がどのようにNAD合成酵素の調節に関わるかはまだ不明である。申請者は、培養ヒト尿細管上皮細胞で、低酸素モデルである低酸素分圧下および低酸素状態誘導物質CoCl2存在下で、NAD合成酵素の発現を解析した。HDAC阻害薬が、低酸素によるNAD合成酵素とNAD生合成系酵素発現の減少を回復させることを見出した。 ② AKIから慢性腎臓病(CKD)への進展に関わるエピジェネティック機構の解明: 一方、糖尿病性腎症はCKDの主な原因である。糖尿病性腎症モデルである高ブドウ糖濃度誘発ではヒストンのメチル化により、NAD合成酵素の減少も見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年4月から職場を変わったので、新しいところで実験の再開催するには少し時間がかかった。しかし、現在順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト尿細管上皮細胞で、低酸素モデルである低酸素分圧下および低酸素状態誘導物質CoCl2存在下で、NAD合成酵素の発現・クロマチン構造をChIP、リアルタイムPCR、western blot、レポーター遺伝子アッセイなどを用いて解析する。さらに、HDAC阻害薬・HDACならびに転写因子に対するsiRNAの効果を調べ、低酸素によってNAD合成酵素系に生じる異常およびHDAC阻害薬が効果を発揮する分子機構を解明する。また、同様の培養系で、高ブドウ糖濃度の培養を行い、ヒストンのメチル化によりNAD合成系酵素の異常成立の分子機構を明らかにする。 in vivoのモデルとしてC57BL6マウスに腎臓虚血を惹起し(J Am Soc Nephrol 2008)、NAD合成酵素のクロマチン構造と発現変化を解析する。さらに、HDAC阻害薬ならびに細胞実験で判明したNAD合成系に作用する薬物の効果を検討する。一方、糖尿病db/dbマウスを使いヒストンのメチル化と糖尿病性腎症に関してNAD合成系に作用する薬物の効果を検討する。
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Causes of Carryover |
今年4月から職場を変わったので実験の再開催するには少し時間がかかる。少し遅れているが、計画通りにin vitro とin vivoの実験を行う予定。
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Research Products
(1 results)