2022 Fiscal Year Research-status Report
表皮IκBζを軸とした皮膚細菌叢異常による自己免疫疾患発症機構の解析
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21K08319
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水芦 政人 東北大学, 大学病院, 講師 (20400369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 研志 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40294798)
照井 仁 東北大学, 大学病院, 助教 (70965045)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IκBζ / SLE / 自己免疫疾患 / 皮膚細菌叢 / 黄色ブドウ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
IκBζ (遺伝子名: Nfkbiz)は、IL-1やToll-like receptor (TLR)刺激によりその発現が一過性に上昇するIκBファミリー分子の1つとして同定された。内外のストレスに応答する際に炎症性遺伝子の発現誘導において中心的な役割を担うNF-κBの転写を制御することで、二次的に標的遺伝子の発現を制御する核内転写制御因子であることから、恒常性を保つうえで重要な因子であると考えられている。近年、炎症性皮膚疾患である乾癬患者におけるゲノムワイド関連解析によりIκBζが乾癬の感受性遺伝子の1つであると同定されたことから、皮膚免疫においても重要な役割を担っている分子であることが推測される。これまでに、乾癬関連サイトカインであるIL-17刺激により表皮細胞でIκBζの発現が増強することやIκBζ遺伝子欠損マウスで乾癬様皮膚炎の発症が抑制されることに加え、自然に眼の周囲に皮膚炎症を起こすIκBζ遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと比較すると皮膚細菌叢が異なることが報告されているが、その過程においてIκBζの表皮細胞における分子制御機構は詳細には明らかにされていない。本研究では、我々の有する表皮特異的IκBζ遺伝子欠損マウスに対して乾癬モデルや皮膚感染症モデルを利用することで、表皮におけるIκBζの生体防御に果たす役割・分子制御機構を解明する。転じて、IκBζの制御を利用した治療薬の開発や臨床応用を探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、スムーズに進行が進み、Science Immunology誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の次の展望に向けて、研究計画を推進する。
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Causes of Carryover |
今年度で予定していた実験は計画通りに進み、次年度に今後の研究推進に向けた研究を展開するために次年度に使用計画を変更した。
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Research Products
(2 results)