2023 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚疾患の病態におけるD-DTの機能解析と新規治療法開発への展開
Project/Area Number |
21K08342
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 忠道 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (70260396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 輝彦 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (90359711)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | D-ドパクロムトートメラーゼ / MIF / アトピー性皮膚炎 / 乾癬 / 強皮症 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎,炎症性皮膚疾患である乾癬,自己免疫疾患である強皮症は,いずれも遺伝的素因と環境因子が共に関与する多因子疾患である.マクロファージ遊走阻止因子(Macrophage migration inhibitory factor:MIF)は,炎症性サイトカインのひとつであり,我々は以前よりアレルギー性疾患や炎症性疾患におけるMIFの関与について研究してきた. 近年, MIFの機能的ホモログであるD-ドパクロムトートメラーゼ(D-dopachrome tautomerase:D-DT)が病態サイトカインとしての機能を有する可能性が報告されている. 本研究では, D-DTの生物学的機能とそのアトピー性皮膚炎, 乾癬, および強皮症などの自己免疫疾患の病態における関与を, D-DT Tgマウスを用いてWTマウスと比較解析した. 卵白アルブミン(OVA)の経皮感作により作製したアトピー性皮膚炎モデルマウス, イミキモドはイミキモド塗布により作製した乾癬モデルマウスおよび皮下へのブレオマイシン局所注入により作製した強皮症モデルマウスをそれぞれD-DT TgマウスとWTマウスに適用し, 皮膚の炎症症状,病変部の組織学的解析をWTマウスと比較検討した.その結果, D-DT Tgマウスを用いたアトピー性皮膚炎や乾癬のマウスモデルでは, WTマウスと比較して炎症反応が顕著に高いことが症状および組織学的に確認された. また, 強皮症モデルマウスにおいては, D-DT Tgマウスの真皮は肥厚し, 浸潤細胞がWTマウスよりも多いことが確認された.
|