2022 Fiscal Year Research-status Report
iPS cell-derived macrophage therapy regulating tumor micro environment
Project/Area Number |
21K08351
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 聡 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (50398210)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メラノーマ / マクロファージ / 免疫チェックポイント阻害薬 / マウスモデル / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子改変iPS細胞由来マクロファージ(iPS-MP)によって腫瘍微小環境を抗腫瘍状態にし、免疫チェックポイント阻害薬無効なメラノーマを治療することが本研究の目的である。そのために、前年度までに、ルシフェラーぜを用いたin vivoイメージング技術を用いた腹膜播種モデルにおいて、抗PD-L1抗体がIsotype抗体に対してある程度有効ではあるが、完全には腫瘍を拒絶できない、まさに臨床の状況を模倣するマウスモデルを確立していた。今年度は、ここに遺伝子改変iPS-MPを併用し、マウスメラノーマを完全に治癒させることを目指し実験を行った。その結果、抗PD-L1抗体単剤でも、IFN-β遺伝子を導入したiPS-MP(iPS-MP-IFN-β)の単独投与でも治療効果が十分でない条件において、抗PD-L1抗体とIFN-β遺伝子を導入したiPS-MPの併用療法によって、有意に治療効果が増強するデータを得た。これについては、複数回実験を重ね、再現性を確認した。また、その同様の4群すなわち、抗PD-L1抗体単剤、iPS-MP-IFN-β単独、抗PD-L1抗体とiPS-MP-IFN-βの併用、コントロール群において、同様の腫瘍の播種と治療を行い、コントロール群マウスが死亡する直前の状態でマウスをsacrificeし、腫瘍を取り出して、浸潤リンパ球の解析を行った。解析方法はフローサイトや免疫染色を用いた。これについてはまだ、preliminaryな段階ではあるが、併用群においてTregが減少しているデータを得ている。セミアロジェニックな環境での治療実験については、上述の実験で用いたC57BL7マウスとMHC class-IIの一部だけが異なるiPS細胞(129)からiPS-MPを作成した。来年度はよりこの細胞を用いてより臨床に即したモデルでも検討を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において肝となるメインデータは、免疫チェックポイント阻害薬と遺伝子改変iPS-MPの併用効果も確認す ることであるが、これはクリアされた。あとは、この結果をサポートするメカニズム解析を行なっているところである。これは来年度で達成できると考えている。以上より、研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
なぜ併用療法が有効なのか、とくにマウス腫瘍を摘出し、免疫染色、フローサイトメトリー、real time PCR、ウエスタンブロットなどによって、その分子機構を解明すべく、すでに実験を行っており、これらについて再現性を確認していく。さらに、今後は治療によって、腫瘍微小環境がどのようにかわったか、次世代シーケンサーを用いて網羅的な解析も行なっていく。
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