2021 Fiscal Year Research-status Report
内因性生理活性ガスの応用による新たな血小板保存液の開発
Project/Area Number |
21K08382
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
矢倉 富子 東京医科大学, 医学部, 講師 (20722581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正裕 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (00232471)
内藤 宗和 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10384984)
畑山 直之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80534792)
福重 香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30805023)
名仁澤 英里 愛知医科大学, 医学部, 助教 (10879464)
永堀 健太 東京医科大学, 医学部, 助教 (50759561)
河田 晋一 東京医科大学, 医学部, 助教 (00527955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血小板 / 内因性生理活性ガスUFB / CORM-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、血小板への内因性生理活性ガスの検証を進めるため、以下の点に重点を置き検討した。 ①血小板への内因性生理活性ガスUFBの至適条件検討 本研究では、汎用されるPRP調整法に準じて調整されたPRPおよび血小板製剤へ条件を振り分けた内因性生理活性ガスUFBを添加して、血小板数や電子顕微鏡(TEM・SEM)にて形態学的評価や機能学的評価を行い比較検討した。この至適条件検討より、内因性生理活性ガスの一種である一酸化炭素にてUFB化した血小板保存液を血小板の最適条件とした。血小板保存液「ACD-A液:Bicanate液= 1:20」をUFB化し、多血小板血漿(PRP:Platelet Rich Plasma)、濃厚血小板に添加する。 ②血小板へのCORM-2の効果 血小板への内因性生理活性ガスの検証を行う為、近年開発された水溶性の一酸化炭素発生剤の一種であるCORM-2を用いて検討することにした。CORM-2は抗炎症作用を示すことが報告され、LPS 刺激によるマクロファージの炎症性サイトカインの産生を抑制する。さらに研究を進めることで、血小板を用いた有効性および安全性の検証がされると考えられる。今回の結果を足がかりに解析を進めることで『血小板保存液に応用可能な内因性生理活性ガスUFBの検証』と『血小板における内因性生理活性ガスUFBの作用機序の解明』を目的とし、血小板の機能制御や品質を向上することが達成できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の成果は、内因性生理活性ガスの応用による新たな血小板保存液の開発を達成するため、段階的に3つの課題に重点をおき、研究に取り込む計画である。2021年度は、血小板への内因性生理活性ガスの検証を行なった。2ヶ年目以降は、内因性生理活性ガスUFBによる血小板への有効性および安全性の検証を行う為、ウサギ血小板やマウス血小板を用いて研究する計画をしている。これらの結果を学術的基盤とし、将来的に内因性生理活性ガスをUFB化した新たな血小板保存液にて血小板の保存を行い、臨床応用へと展開したいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、以下の点に重点を置き研究を推進していく。2021年度の血小板への内因性生理活性ガスの至適条件を受けて、実際にウサギやマウスにて血小板減少症モデルを作成し、UFB処置を行った血小板を用いて輸血し、血小板輸血の効果を検証する。さらに、評価として、前年度と同様に、ウサギ血小板、マウス血小板に含まれる血小板の形態学的・機能学的評価を血小板凝集能測定、フローサイトメトリー、血小板数にて行う。
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Causes of Carryover |
2021年度は、110554円の翌年度繰越額を計上した。研究を実施していく中で予定していた消耗品類の購入が、効率的な利用により残高が生じた為と考えられる。2022年度の計画として、内因性生理活性ガスUFBによる血小板への有効性および安全性の検証を行う為、ウサギ血小板やマウス血小板を用いて研究することに重点を置き、申請時の計画に沿って研究を推進していく予定である。
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