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2022 Fiscal Year Research-status Report

キチナーゼを介したキチン粒子による気道炎症誘発機構の解明

Research Project

Project/Area Number 21K08465
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

新江 賢  杏林大学, 保健学部, 准教授 (50306669)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsキチン / アレルギー / 自然リンパ球
Outline of Annual Research Achievements

申請者は、マウスにおいて、少量のタンパク質抗原の吸入では感作が成立しないのに対し、ダニ外殻を構成する多糖類「キチン(Chitin)」をタンパク質抗原と同時に吸入させると感作が成立して喘息様気道炎症が誘発されることを報告した。新たなダニアレルギー誘発物質「キチン粒子」による気道炎症の誘導機構において、キチンを認識する細胞種やその活性化機序、そしてキチン受容体及びその受容体のシグナル伝達機構の全容は全く解明されていない。申請者は、キチンに結合する分子としてキチナーゼファミリー分子を同定し、その分子とキチン粒子の複合体が、樹状細胞を活性化することを見出した。樹状細胞にはキチン粒子/キチナーゼファミリー分子複合体に結合する受容体が存在すると考えられる。そこで、本申請では、キチンを介したダニアレルギーの発症機構の解明を目的として、以下の点について明らかにする。
1) キチン粒子による気道炎症に関わる細胞とサイトカインの解明 キチンによる気道炎症に関わるメディエーターや細胞が、キチンによるアレルギー誘導に関与することが推測される。
2) キチナーゼファミリー分子欠損マウスの作製とその解析 新たに同定したキチナーゼファミリー分子の生体内における役割を明確にする。
3) キチナーゼファミリー分子の産生細胞・産生機序の解明 新たに同定したキチナーゼファミリー分子の産生細胞・産生機序がキチンによるアレルギー誘導に関わると同時に、ダニアレルギーの感受性を決める要因の一つであるかもしれない。
4)キチンによるシグナル伝達に関わる分子の解明を目指す。 受容体をはじめ、キチンのシグナル伝達機構の詳細ほとんど明らかとなっていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1) キチン粒子による気道炎症に関わる細胞とサイトカインの解明 キチン吸入による好中球性の気道炎症には、3型自然リンパ球(ILC3)の関与が示唆されているが、既知のILC3が産生するIL-17やIL-22の欠損マウスでも、野生型マウスと同程度の気道炎症が誘発されることを明らかとした。したがって、全く新規のILC3様細胞の関与が想定されている。
2) キチナーゼファミリー分子欠損マウスの作製とその解析 新たに作製したキチナーゼファミリー分子欠損マウスにキチン粒子を吸入させた。その結果、当該欠損マウスにおいて、野生型マウスと比較して肺胞洗浄液中の白血球数が大幅に減少した。したがって、キチン粒子による気道炎症誘導に、当該キチナーゼファミリー分子が関与することが明らかとなった。
3) キチナーゼファミリー分子の産生細胞・産生機序の解明
キチナーゼファミリー分子の気道における産生細胞の詳細は不明である。そこで、キチンを吸入させたマウス肺についてのSingle cell RNA-seq解析を実施した。その結果、主に上皮系の細胞で強く発現することが明らかとなった。
4) キチン/キチナーゼファミリー分子複合体を認識する細胞膜型受容体及びシグナル伝達に関わる分子の探索 消化管におけるキチン受容体としてFibcd1が報告されている。本分子は気道ではほとんど発現しないことから、キチン吸入による気道炎症には関与しないと考えられる。しかしながら、そのホモログ分子が関与している可能性があることから、各ホモログ分子shRNAの発現ベクターをlentivirusで細胞株に導入し、各shRNAの効果を検討している。

Strategy for Future Research Activity

1) キチン粒子による気道炎症に関わる細胞とサイトカインの解明 気道炎症への関与が推測される新規ILC様細胞の性状について検討していく。
2) キチナーゼファミリー分子欠損マウスの作製とその解析 このキチナーゼファミリー分子欠損マウスを用いて、ダニアレルギーモデルの検討を進める。
3) キチナーゼファミリー分子の産生細胞・産生機序の解明 キチンを吸入させたマウス肺からの各種上皮細胞の分離・培養を試みる。
4) キチン/キチナーゼファミリー分子複合体を認識する細胞膜型受容体及びシグナル伝達に関わる分子の探索 キチンによる細胞株活性化に対するFibcd1ホモログ分子shRNAの効果を検討していく。

Causes of Carryover

実験動物の輸送費用が、想定より安価であったため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Infiltration of peripheral immune cells into the olfactory bulb in a mouse model of acute nasal inflammation2022

    • Author(s)
      Asano Hinami、Hasegawa-Ishii Sanae、Arae Ken、Obara Aki、Laumet Geoffroy、Dantzer Robert、Shimada Atsuyoshi
    • Journal Title

      Journal of Neuroimmunology

      Volume: 368 Pages: 577897~577897

    • DOI

      10.1016/j.jneuroim.2022.577897

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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