2023 Fiscal Year Annual Research Report
キチナーゼを介したキチン粒子による気道炎症誘発機構の解明
Project/Area Number |
21K08465
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
新江 賢 杏林大学, 保健学部, 准教授 (50306669)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キチン / 喘息 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
1) キチン粒子による気道炎症に関わる細胞とサイトカインの解明 キチン吸入による好中球性の気道炎症には、3型自然リンパ球(ILC3)様の新規サブセットの関与が示唆されている。そこで、キチンを吸入させたマウス肺よりILCをセルソーターにより分取し、sc-RNAseq(1細胞RNAシークエンス)解析を実施している。 2) キチナーゼファミリー分子欠損マウスの作製とその解析 新たに作製したキチナーゼファミリー分子欠損マウスにキチン粒子を吸入させた。その結果、当該欠損マウスにおいて、野生型マウスと比較して肺胞洗浄液中の白血球数が大幅に減少した。したがって、キチン粒子による気道炎症誘導に、当該キチナーゼファミリー分子が関与することが明らかとなった。 3) キチナーゼファミリー分子の産生細胞・産生機序の解明 キチナーゼファミリー分子の気道における産生細胞の詳細は不明であるが、主に上皮系の細胞で強く発現することが明らかとなっている。その産生機序の解明を目的として、マウス肺のよりⅠ・Ⅱ型肺胞上皮細胞、気道上皮細胞のソーティングを試みている。 4) キチン/キチナーゼファミリー分子複合体を認識する細胞膜型受容体及びシグナル伝達に関わる分子の探索 消化管におけるキチン受容体としてFibcd1が報告されている。本分子は気道ではほとんど発現しないことから、キチン吸入による気道炎症には関与しないと考えられる。しかしながら、そのホモログ分子が関与している可能性があることから、各ホモログ分子shRNAの発現ベクターをlentivirusで細胞株に導入し、各shRNAの効果を検討している。
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