2022 Fiscal Year Research-status Report
環境記憶によるヒト褐色脂肪組織と生活習慣病リスクの制御機構の解明
Project/Area Number |
21K08548
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米代 武司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (40724167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 真美 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (60517316)
浜岡 隆文 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70266518)
斉藤 昌之 北海道大学, 獣医学研究院, 名誉教授 (80036441)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 褐色脂肪組織 / エネルギー代謝 / 寒冷刺激 / エピゲノム / FDG-PET/CT |
Outline of Annual Research Achievements |
褐色脂肪組織(BAT)は寒冷刺激に応じて熱を産生するエネルギー消費器官であり、肥満・糖尿病の予防のための刺激標的になる。BAT代謝活性の個人差を規定する因子は不明である。近年、臨床データの後向き解析から、受精前の季節が成人後のBAT活性に影響することが報告されたが(Sun W, Nat Med 2018)、この説は十分に検証・確立されていない。本研究では、ゴールドスタンダード評価法である寒冷刺激を組み合わせた陽電子画像診断法(FDG-PET/CT)や新規非侵襲的評価法である近赤外時間分解分光法(NIR-TRS)により評価したヒトBATデータを用い、出生時と受精時の季節がBAT検出率に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。今年度は、FDG-PET/CTを用いて健康な成人男女のBATを評価し、データを蓄積した。同被験者を対象に受精時と出生時の居住地域をアンケート調査により調べた。FDG-PET/CTで調べたBAT活性に及ぼす影響について予備的解析を行ったところ、出生時期単独ではBAT検出率には影響を及ぼさなかったものの、受精時期は寒冷時期である者では、温暖時期である者に比べ、BAT活性が高いことが確認された。共分散構造分析により、受精時期によるBAT活性の上昇は、肥満度(BMI)や内臓脂肪面積の増加を防ぐ可能性が示唆された。NIR-TRSを用いた健康な成人男女のBAT密度や肥満度(BMI)に及ぼす影響についても現在、解析を進めている。また、妊娠時期と出生時期の組み合わせ効果についても解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常被験者のBATの評価とアンケート調査を行い、データの蓄積が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満度への影響や、受精時期と出生時期の組み合わせ効果を解明するためにはさらなるサンプル数の増加が必要であるため、次年度もデータの集積を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大予防対策のため、被験者募集とBAT評価実験に遅れが生じたため。その分は次年度に被験者を募集し、実施していく予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Post-translational control of beige fat biogenesis by PRDM16 stabilization2022
Author(s)
Wang Q, Li H, Tajima K, Verkerke ARP, Taxin ZH, Hou Z, Cole JB, Li F, Wong J, Abe I, Pradhan RN, Yamamuro T, Yoneshiro T, Hirschhorn JN, Kajimura S
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Journal Title
Nature
Volume: 609
Pages: 151-158
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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