2022 Fiscal Year Research-status Report
新規治療戦略を見据えた膵α細胞機能とDPP-4発現の病態学的解析
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21K08576
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河盛 段 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (50622362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片上 直人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10403049)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グルカゴン / 糖尿病 / GLP-1 / DPP-4 / インクレチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、①「膵α細胞は複数ホルモンの分泌バランスが変化する様々な機能的多様性 (subtype)を呈し」、②「糖尿病下のα細胞ではDPP-4発現増加などの機能的シフトがおこり、これがグルカゴン過剰と共に膵島内GLP-1減少を介して病態悪化に関与する」という新しい概念仮説を設定し、グルカゴン分泌細胞株InR1Gを用いた解析による検証を行っている。 ①InR1G細胞に対する高グルコース負荷の影響を、11.1mMの通常グルコース濃度もしくは25mMの高グルコース負荷にて12時間培養した後、1時間Static Incubationによるグルカゴン分泌にて評価した。高グルコース負荷によるグルカゴン分泌過剰の一方、細胞内グルカゴン含量は低下を呈した。また、グルカゴン遺伝子発現は変化なかった。同時にInR1G細胞におけるGLP-1分泌について同条件下で検討を行い、高グルコース刺激応答性の分泌増加を見出した。DPP-4阻害薬存在下ではグルカゴン・GLP-1の濃度増加が見られた。 ②DPP-4遺伝子を定量的Real-Time PCRで評価可能なプライマーセットを新規に作成し、25mMグルコース負荷24時間時点におけるDPP-4遺伝子発現量の有意な増加を確認した。遺伝子発現量の増大が確認できた24時間時点においては、DPP-4蛋白質自体の発現をWestern Blot法にて確認は可能であったが、その量的変化については評価できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
InR1G細胞を用いた分子生物学的実験において、グルカゴンとGLP-1の分泌評価、DPP-4の発現解析という研究計画に従った実験を継続している。しかし、近年のCOVID-19パンデミックにともなう研究活動制限により、特にモデルマウスを用いた研究検討について計画と比して研究遂行について遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
分子生物学的実験においては計画の進行に努め、InR1G細胞からのグルカゴン・GLP-1分泌の時間的経過、薬物的DPP-4阻害による影響について、解析を継続する。InR1G細胞におけるDPP-4発現とその変化が確認され、次段階としてDPP-4の培養液への分泌・酵素活性の検討へ移行する。
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Research Products
(5 results)