2021 Fiscal Year Research-status Report
致死的合併症であるIFALD予防を網羅した短腸症候群に対する新規細胞治療の確立
Project/Area Number |
21K08639
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 良彰 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50621710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 義晶 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80345529)
小林 隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40464010)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腸管不全 / 腸管不全関連肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
短腸症候群やヒルシュスプルング病類縁疾患のような腸管不全患者は、長期間中心静脈栄養を要することが多く、腸管不全関連肝障害(IFALD)を高率に発症し、致命的となる。そのため、早期に中心静脈栄養からの離脱が重要である。しかし、離脱可能かどうかに関しては症例毎によって違い、様々な因子が関係している。 昨年度は、まず、当科でフォローアップしている腸管不全患者について把握することを行った。中心静脈栄養からの離脱、IFALDの予防が重要であり、点滴離脱に関与する因子を明らかにすることを目的とした。離脱群と非離脱群に分けて、比較検討することとした。 当院でフォローアップしている腸管不全患者は8例認めた。5例が短腸症候群で3例がヒルシュスプルング病類縁疾患であった。点滴を離脱した症例は4例で、離脱できない症例も4例認めた。半数は点滴離脱できていない結果であった。離脱できていない症例のうち3例(75%)がヒルシュスプルング病類縁疾患であった。つまり、ヒルシュスプルング病類縁疾患は全例離脱できておらず、リスク因子であった。また、結腸切除を施行された症例も有意に非離脱群に多く認めた。残存小腸の長さに関しては、離脱群、非離脱群に有意な差は認めなかった。血液検査に関しては、アルブミン、コリンエステラーゼ、セレン、カルニチンは両群間に有意さは認めなかった。必須脂肪酸に関しては、非離脱群では有意に欠乏していた。 腸管不全関連肝障害に関しては、8例中5例に認めたが、ω3系脂肪酸投与などにより肝不全までは進行せず、生存していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、当院での腸管不全患者に関する調査を行った。経過が長い症例が多く、診療録をもとに、治療経過や栄養状態の推移、中心静脈栄養の種類や離脱に至った経緯などを確認するのに非常に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管不全関連肝障害のマウスを用いた研究を行いたい。まず、腸管不全関連肝障害のモデルマウスを作成したい。 そして、脱落乳歯歯髄幹細胞を用いた再生医療の研究をすすめたい。
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Causes of Carryover |
マウスおよび間葉系幹細胞を用いた研究が行われていないため、動物実験に使用する道具や試薬などを初年度は購入しておらず、次年度に繰り越したため。
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