2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new therapeutic agents for organ fibrosis based on chronic inflammation
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21K08690
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
竹村 茂一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00322363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 一典 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50303897)
南山 幸子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00362989)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臓器線維化 / 肝硬変 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、S-アリルシステイン(SAC)およびS-アリルグルタチオン(SAG)をリード化合物として、3種類の新規化合物を作成した。これらの物質の安定性を確認の上、ラット骨髄由来マクロファージを採取し、その培養液に添加、マクロファージの分極誘導への影響を検討した。分極後のM1やM2マクロファージの指標となる発現タンパクをWestern blot法およびその遺伝子発現をqRT-PCRで解析した。これらの結果を以前に検討したSACやSAGのマクロファージへの影響と比較検討したところ、新規化合物の中のX-3(仮称)が最も有効性を認めたため、現在、X3を添加培養したマクロファージの上清を肝初代培養星細胞に添加し、そのの星細胞の活性化抑制、線維素発現抑制における有効性を検討しているところである。併せてX-3のマクロファージに対する至適濃度並びにマクロファージ上清の星細胞への至適倍率も検討しており、生体内で実現しうる濃度での反応であるかを検証中である。この結果、肝星細胞の線維素産生および溶解への影響が従来の物質よりも有効であった場合には、予定通り動物モデルでの検討を行う。具体的には四塩化炭素により肝硬変を惹起させたモデル動物に対して投与し、SAC、SAG、N-アセチルシステインなどの肝硬変抑制効果および肝硬変改善効果を検討する。さらにブレオマイシンによる肺線維化モデルに対しても同様の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請書のごとくS-アリルシステインおよびS-アリルグルタチオンをリード化合物として3個の新規化合物を合成した。さらにラット骨髄由来マクロファージを用いて分極誘導を行った際の新規化合物の添加による影響を遺伝子発現レベル、タンパクレベルで評価中であり、計画通りと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄マクロファージを用いた検討により、以前に報告したS-アリルシステインやS-アリルグルタチオン以上の肝星細胞に対する線維素産生抑制効果を有する物質を用いて、肝硬変や肺線維化を模倣した動物実験モデルにおける効果を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に検討した遺伝子発現やタンパクの解析における消耗品を他の研究者と共同購入し使用している。次年度は本研究課題で支出する必要があるため、会計年度における支出時期が遅れたためである。本研究を遂行するにあたり予定通りの支出総計が必要と考えている。
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Research Products
(14 results)