2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of new therapeutic agents for organ fibrosis based on chronic inflammation
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21K08690
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
竹村 茂一 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (00322363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 一典 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50303897)
南山 幸子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00362989)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臓器線維化 / 肝硬変 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は肝硬変や肝線維症、腎硬化症などの慢性炎症の結果生じる臓器線維化による機能不全に対する新規治療法を開発を目指すものである。我々はS-アリルシステイン(SAC)およびS-アリルグルタチオン(SAG)のマクロファージ分極抑制を介した臓器線維化の抑制効果を報告してきたが、さらに安全で、安定性、有効性の高い物質を合成することを目的としている。2021年度に続き2022年度は、SACおよびSAGをリード化合物として理論的に有効であると考えられるさらに5種類に新規化合物を合成した。これらの化合物の安定性を確認の上、2021年度に作成した3種の物質と合わせて8種類の物質についてマクロファージのM1およびM2への分極に対する抑制効果を比較検討した。ラット骨髄由来のマクロファージを採取・培養し、上清への添加によりマクロファージの分極誘導における抑制効果を確認したところ、2021年度に有効性を確認したX-3(仮称)と2022年度に作成したY-1(仮称)にその他の化合物に比し高い有効性を確認した。この二種類の物質に絞り、マクロファージに対する指摘濃度およびその上清の肝星細胞への有効倍率を確認し、生体内で実現しうる反応であることを確認してきた。最終年度は2022年度に引き続きさらに星細胞への影響並びに線維素産生抑制効果を継続して解析するとともに、大量合成の上、肝線維化モデル動物に対して投与し、N-アセチルシステインやその他の既知物質の肝線維化抑制効果および肝硬変改善効果との比較を検討している状態である。時間的に許せば肺線維化モデルに対する効果の検討も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度には3種中の1種の化合物の有効性を確認したが、本年度は7種中の1種の有効性を確認することができ合計2種類の新規化合物での検討を進めている。追加の新規物質の検索のため少し細胞実験が遅れたが、おおむね研究計画に沿い進行できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット骨髄マクロファージ及び星細胞を用いた検討により選出した2種の新規化合物の有効性及び指摘濃度の検討を続けるとともに、大量合成の上、肝硬変や肺線維化の実験動物モデルにおける効果を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染の影響で、研究のまとめの遅れが生じたため論文校正に予定していた費用や動物実験に伴う費用の大部分、一部学会のZOOM開催に伴う旅費が2023年度に繰り越されたため。2023年度には動物実験を再開し、研究をまとめ、論文作成及び投稿、掲載費用として計上の予定である。
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Research Products
(11 results)