2021 Fiscal Year Research-status Report
The molecular mechanism of hepatocellular carcinoma associated fibroblast oriented exosome miRNA
Project/Area Number |
21K08718
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
池上 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80432938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後町 武志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40338893)
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10459620)
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80624973)
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
安田 淳吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90896870)
塩崎 弘憲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30896816)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / エクソソーム / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
進行肝細胞癌における進展転移における癌微小環境の重要な構成要素である癌関連線維芽細胞(CAF)に注目した。3種類の肝癌細胞株(Huh7、HepG2、PLC)を用いてCAF由来エクソソームを添加することによるMigration assay, Trans-well assayを行った。肝癌切除組織の癌部および非癌部を分離細胞培養し増殖を確認したのちMACS(磁気細胞分離)を用いて線維芽細胞関連磁気ビーズを用いて細胞分離を行った。肝細胞癌関連のCAFから肝癌細胞との間の細胞間シグナル伝達としてエクソソームに含有されるmiRNAとそのターゲットとなり発現調整される遺伝子に注目した。エクソソームの中でも、エクソソームを介したmiRNAによる機能変化が癌細胞に与える影響に注目した。単離培養したCAFの上清からエクソソームを分離した。分離エクソソームのwestern blottingを行ったところ、cell lysateより分離したエクソソームにて明らかなCD63およびCD9の発現を認め、また電子顕微鏡に於いても50-100nmの脂質二重膜構造を持つ小胞体を確認し、エクソソームの分離を確実に行え得たことを確認した。さらに、CAFの上清あるいは分離したエクソソームを肝癌細胞株であるHuh7に添加を行ったところ、CAFから分離したエクソソームの添加が、非癌部肝組織から抽出したNFに比し、あきらかに肝癌細胞株の運動性すなわち浸潤進展性を高めていることをMigration assay、Invasion assayにて確認できた。一方、肝細胞株の増殖能を促進する効果は現時点の実験系では認められなかった。背景肝に線維性病変を伴う肝細胞癌であっても、CAFが明らかに存在し、分泌されたエクソソームにより肝細胞癌細胞の上皮間葉転換につながる性質を獲得していることを示唆する結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離培養したCAFの上清からエクソソームを分離した。エクソソームの表面にはCD63およびCD9の発現が認められることが知られており、分離エクソソームのwestern blottingを行ったところ、cell lysateより分離したエクソソームにて明らかなCD63およびCD9の発現を認め、また電子顕微鏡に於いても50-100nmの脂質二重膜構造を持つ小胞体を確認し、エクソソームの分離を確実に行え得たことを確認した。さらに、CAFの上清あるいは分離したエクソソームを肝癌細胞株であるHuh7に添加を行ったところ、CAFから分離したエクソソームの添加が、非癌部肝組織から抽出したNFに比し、あきらかに肝癌細胞株の運動性すなわち浸潤進展性を高めていることをMigration assay、Invasion assayにて確認できた。一方、肝細胞株の増殖能を促進する効果は現時点の実験系では認められなかった。背景肝に線維性病変を伴う肝細胞癌であっても、CAFが明らかに存在し、分泌されたエクソソームにより肝細胞癌細胞の上皮間葉転換につながる性質を獲得していることを示唆する結果であった。CAF由来および正常線維芽細胞(NF)培養液分泌エクソソーム内miRNAの網羅的解析(miRNAマイクロアレイ)を行ったところ、miRNA-150、miRNA-320、miRNA-355、miRNA-1247、miRNA-3188が肝癌細胞に影響を与える候補として検出された。そしてその後の研究はこれらの中でも最もvolcano blotting統計解析にて有意であったmiRNA-150を使用して行った。次にヒト正常肝細胞、星細胞、正常線維芽細胞およびCAFにてmiRNA-150の発現量を定量的RT-PCRを行ったところ、CAFおよびCAF由来エクソソームでmiRNA-150の発現低下を認めた。上記より計画通りのプロセスを順調におこなっていることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
肝癌細胞増殖に関してはNFおよびCAFのcondition mediumおよび抽出エクソソームの2種類の物質の添加時実験を行い、5日間培養後にCell counting kit を用いて再評価検証する。エクソソーム内miRNAの網羅的解析に関してMulti-experiment viewerを用いて有意となった遺伝子群のうち、Target scan、Linked omics、miRDB、Exiquonより共通で検出される遺伝子に関して検証を行う。さらにマイクロアレイおよびデータベース解析から最も有意であると判定されたmiRNAを、単離しCAFに強制発現させる。RT-PCRにて発現を検証したのち、強制発現CAF由来エクソソームを分離、肝癌細胞株に添加する。SYTO RNA selectによりmiRNAが肝癌細胞株に結合し取り込まれていることを蛍光により確認する。MigrationおよびInvasion assayを行い癌の進展に影響を与えるかを確認する。一方標的miRNAに対するsiRNAをデザインし、抑制実験も同様に行う。標的miRNAが結合し影響を与えるターゲット遺伝子の同定を行い、相補的配列を有している癌関連遺伝子を検索する。NF/CAFから抽出したエクソソームを肝癌細胞株に添加することによりそのターゲット遺伝子のRNAおよび蛋白発現が変化していることをRT-PCRおよびwestern blottingにて確認を行う。これによりターゲットが確定されれば、ノックダウンあるいは遺伝子導入による肝癌細胞の動向をMigrationおよびInvasion assay評価を行う。
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Causes of Carryover |
ロナウイルス感染症蔓延により、各学会への現地参加が極めて少なくなり、webでの学会が多くなったために旅費が余剰となり、次年度に繰越した。今年度の使用計画:コロナウイルス関連の緊急事態宣言および渡航の緩和に伴う学会参加に伴う旅費に使用する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Evaluation of the Intention-to-Treat Benefit of Living Donation in Patients With Hepatocellular Carcinoma Awaiting a Liver Transplant2021
Author(s)
Lai Q, Sapisochin G, Gorgen A, Vitale A, Halazun KJ, Iesari S, Schaefer B, Bhangui P, Mennini G, Wong TCL, Uemoto S, Lin CC, Mittler J, Ikegami T, Yang Z, Frigo AC, Zheng SS, Soejima Y, Hoppe-Lotichius M, Chen CL, Kaido T, Lo CM, Rossi M, Soin AS, Finkenstedt A, Emond JC, Cillo U, Lerut JP.
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Journal Title
JAMA Surg
Volume: 156
Pages: e213112
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Simultaneous splenectomy improves outcomes after adult living donor liver transplantation2021
Author(s)
Yoshizumi T, Itoh S, Shimokawa M, Inokuchi S, Harada N, Takeishi K, Mano Y, Yoshiya S, Kurihara T, Nagao Y, Ikegami T, Soejima Y, Mori M.
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Journal Title
J Hepatol.
Volume: 74
Pages: 72-379
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The novel index using preoperative C-reactive protein and neutrophil-to-lymphocyte ratio predicts poor prognosis in patients with pancreatic cancer.2021
Author(s)
Taniai T, Haruki K, Furukawa K, Onda S, Yasuda J, Shirai Y, Gocho T, Yanagaki M, Hamura R, Shiba H, Ikegami T.
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Journal Title
Int J Clin Oncol.
Volume: 26
Pages: 1922-1928
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Inhibition of acid ceramidase elicits mitochondrial dysfunction and oxidative stress in pancreatic cancer cells.2021
Author(s)
Taniai T, Shirai Y, Shimada Y, Hamura R, Yanagaki M, Takada N, Horiuchi T, Haruki K, Furukawa K, Uwagawa T, Tsuboi K, Okamoto Y, Shimada S, Tanaka S, Ohashi T, Ikegami T.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 112
Pages: 4570-4579
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mitochondrial expression of the DNA repair enzyme OGG1 improves the prognosis of pancreatic ductal adenocarcinoma.2021
Author(s)
Inokuchi S, Itoh S, Yoshizumi T, Yugawa K, Yoshiya S, Toshima T, Takeishi K, Iguchi T, Sanefuji K, Harada N, Sugimachi K, Ikegami T, Kohashi K, Taguchi K, Yonemasu H, Fukuzawa K, Oda Y, Mori M.
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Journal Title
Pancreatology.
Volume: 20
Pages: 175-1182.
Peer Reviewed
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[Presentation] 新規がん遺伝子候補Solute carrier family12 member9(SLC12A9)の大腸がん進行における意義の解明2021
Author(s)
中野 貴文, 増田 隆明, 阿部 正, 斉藤 秀幸, 大里 祐樹, 安東 由貴, 小斉 啓祐, 高橋 純一, 小林 雄太, 大津 甫, 武石 一樹, 米村 祐輔, 池上 徹, 三森 功士
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 新規大腸癌ドライバー遺伝子eIF5-mimic protein 1(5MP1)の機能解析とそのリポジショニング薬の同定2021
Author(s)
阿部 正, 増田 隆明, 小池 健輔, 斉藤 秀幸, 安東 由貴, 大里 祐樹, 中野 貴文, 小斉 啓祐, 高尾 誠一郎, 加藤 一樹, 小林 雄太, 高橋 純一, 本村 有史, 大津 甫, 武石 一樹, 米村 祐輔, 池上 徹, 三森 功士
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] Lysosome酵素に着目した革新的治療法の開発 癌代謝メカニズムへの新たなアプローチ2021
Author(s)
白井 祥睦, 池上 徹, 羽村 凌雅, 谷合 智彦, 柳垣 充, 堀内 尭, 嶋田 洋太, 鐘ヶ江 裕美, 坪井 一人, 岡本 安雄, 後町 武志, 大橋 十也, 大木 隆生
Organizer
第121回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] トロンボモジュリンの抗炎症作用による膵癌進展抑制効果2021
Author(s)
白井 祥睦, 後町 武志, 羽村 凌雅, 恒松 雅, 堀内 尭, 塩崎 弘憲, 坂本 太郎, 谷合 智彦, 柳垣 充, 春木 孝一郎, 安田 淳吾, 古川 賢英, 恩田 真二, 奥井 紀光, 鈴木 文武, 阿部 恭平, 宇和川 匡, 菅野 宏, 佐藤 峻, 池上 徹
Organizer
第52回日本膵臓学会大会
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