2021 Fiscal Year Research-status Report
HER2陽性胆嚢癌の遺伝子異常の包括的癌関連パスウェイ解析とその臨床的意義の解明
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21K08770
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70447605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
滝沢 一泰 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30706437)
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
三浦 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70733658)
諸 和樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (10745566)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30743918)
石川 博補 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80769399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 胆嚢癌 / HER2 / 免疫組織化学 / FISH / Heterogeneity |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、胆のう癌92症例に対して抗HER2抗体による免疫組織化学(HER2-IHC)を実施し、染色様式を観察した。HER2-IHCの診断基準が確立した癌腫としては、乳癌と胃癌が存在する。今回の胆嚢癌のHER2-IHCの観察から、胆嚢癌におけるHER2-IHCの診断基準は胃癌に準じることが妥当であると考えた。その理由として、①胃癌と同様にpapillary or tubular structuresの腫瘍細胞では特にbasolateral staining patternが観察されたこと、②Yoshidaらの報告では、Heterogeneity(基準:10-50%の腫瘍細胞が陽性)は2+症例の71%、3+症例の40%で観察され、Heterogeneityを有する症例の70%はinvasive areaよりもむしろmucosal lesions主体で陽性細胞が観察されたとしており、今回のわれわれの研究の胆嚢癌における3+や2+の症例においてもHeterojeneityが高頻度に観察され、この点も乳癌より胃癌に類似していることが挙げられた。 既存の胃癌と同様の診断基準を用いると、胆嚢癌92例中、IHCスコア3+が5例(5.4%)、IHCスコア2+が2例(2.2%)、IHCスコア1+が15例(16.3%)で認められた。 現在までに、IHCスコア2+の2例にHER2-FISH検査を実施したところ、1例がFISH陽性(2.3増幅あり)、1例がFISH陰性(0.9増幅なし)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胆嚢癌切除症例において、HER2-IHCを92例で実施し、胆嚢癌におけるHER2-IHCの診断基準を定めることができた。また、IHC2+の症例において、HER2-FISH検査も実施することができた。当初の1年目の目的をある程度達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降は、 ①HER2-IHCをさらに新規で16例追加する。 ②①により合計で108例でHER2-IHCを実施したことになる。そのうちの9例で再発巣における組織が解析可能であるので、この9例の再発巣のHER2-IHCを実施し、胆嚢癌において再発時にHER2の染色様式に変化がみられるかを解析する。 ③HER2スコア2+症例だけではなく、3+や1+の症例でもHER2-FISH検査を実施する。乳癌や胃癌におけるHER2-FISH検査の診断基準とも比較し、胆嚢癌HER2-FISH検査の診断基準を定める。 以上より胆嚢癌におけるHER2陽性症例を決定し、HER2陽性と関連する臨床病理学的因子を抽出するとともに、HER2 statusが予後に及ぼす影響を明らかにする。
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