2023 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌による膵臓癌化学療法抵抗性の機序解明と革新的治療法開発
Project/Area Number |
21K08805
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 亙 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (20590847)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
池上 徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80432938)
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80624973)
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10459620)
阿部 恭平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30751292)
後町 武志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40338893)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵臓癌 / 肝癌 / 腸内細菌 / オートファジー / ライソゾーム / 化学療法抵抗性 / 癌微小環境 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性消化器癌における腫瘍内腸内細菌とオートファジーの関係に着目した。まず膵臓癌切除検体を用いて、オートファジーのマーカーであるBeclin 1とLC3Bに関して免疫組織学的染色を行い、オートファジー活性を評価した。オートファジー活性は分布(Proportion score)、および強度(Intensity score)で評価した。生存解析ではBeclin 1、LC3B共に予後との有意な関係は示さなかったことから、オートファジー単独ではなく、オートファジーの誘導に関わる種々の因子との相互作用で癌微小環境において腫瘍の進展や抗癌剤耐性などに寄与している可能性が示唆された。また膵臓癌細胞株(PANC-1、MiaPaCa2)を用いて抗癌剤投与によるオートファジー活性の変化を確認した。塩酸ゲムシタビンを投与したPANC-1に対してマイクロアレイ解析を行い、オートファジー関連遺伝子や複数のライソゾーム酵素の遺伝子が発現上昇していることを同定した。さらに塩酸ゲムシタビン濃度依存的にオートファジー/ライソゾーム酵素が活性化することをLC3、SQSTM1/p62、酸性αグルコシダーゼ(GAA)のWestern blottingで確認した。GAA遺伝子をsiRNAを用いて抑制することにより塩酸ゲムシタビンによる抗腫瘍効果が増強され、アポトーシスの亢進が認められた。また同じく難治性癌である肝細胞癌の臨床検体を用いて癌部および非癌部の16S rRNAシークエンスを施行したところ、α diversityとPermanova (β diversity)の結果から、腫瘍部と非腫瘍部では菌叢の全体構造に有意な差がみられ、肝細胞癌では癌部において正常肝組織と比較して、Proteobacteriaが有意に多く、Firmicutesが少ないという結果であった。
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[Presentation] 膵癌患者の組織とリキッドバイオプシー検体を用いた分子プロファイリングの有用性2023
Author(s)
柳垣 充, 宇和川 匡, 上野 敏秀, 今井 健太, 高橋 数冴, 新井田 厚司, 恒松 雅, 白井 祥睦, 春木 孝一郎, 古川 賢英, 後町 武志, 池上 徹, 間野 博行, 高阪 真路
Organizer
第82回日本癌学会総会
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[Presentation] 肝細胞癌におけるARID4Bの分子生物学的意義と予後予測因子としての有用性の検討2023
Author(s)
柳垣 充, 春木 孝一郎, 古川 賢英, 恩田 真二, 石崎 俊太, 恒松 雅, 白井 祥睦, 奥井 紀光, 松本 倫典, 坂本 太郎, 後町 武志, 丹治 芳明, 五十嵐 陽介, 谷合 智彦, 池上 徹
Organizer
JDDW 2023