2021 Fiscal Year Research-status Report
Control of implantable ventricular assist device driveline exit site infection by infrared irradiation
Project/Area Number |
21K08855
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片平 晋太郎 東北大学, 大学病院, 講師 (80870138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 博 杏林大学, 医学部, 教授 (00262006)
坂爪 公 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10837032)
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
青柳 哲史 東邦大学, 医学部, 准教授 (50581609)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 植込型補助人工心臓 / ドライブライン感染 / 近赤外線 / 黄色ブドウ球菌 / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は実験小動物における近赤外線照射実験を行った。雄Sprague-Dawleyラット14週齢を用いて、全身麻酔下に背部にドライブライン貫通部を想定した創部を4つ作成、複数の条件で近赤外線照射を行い、皮膚および皮下組織の変化を病理学的に評価した。(照射出力0-80%、照射時間5s-30s)その結果、近赤外線照射後の皮下組織では膠原繊維が変性しており、照射出力や照射時間に比例するようにより深達度が大きくなることが確認された。また現在照射を行った条件では腹腔内臓器に影響がないことも確認している。一方で一定以上の照射出力や照射時間では組織の炭化や組織内空気の爆発といった有害事象が発生することも確認された。また、近赤外線照射後の標本摘出のタイミングを照射直後、1日後、3日後、7日後に設定し、それぞれ病理学的な評価を行うことで、好中球をはじめとする炎症細胞の浸潤度合いや微小血管新生等の評価も行っている最中である。 近赤外線照射の直接的影響を検討するのに用いるドライブラインについては、は各メーカーに協力を依頼し、現在日本国内に装着患者が存在する5機種(HeartMateⅡ,HeartMate3,Jarvik2000,EVAHEART,HVAD)のうち3機種(HeartMateⅡ,EVAHEART,HVAD)のドライブラインを入手した。残る2機種についても現在研究提供の申請中である。 また、感染モデルに用いる黄色ブドウ球菌株については当院感染症科および形成外科の協力の下、入手の準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はラットの背部に6カ所の創部を作成し、照射実験を行う予定であったが、筋肉の走行等を考慮し均一な組織で評価するためには最大4カ所の創部のみの作成となり、小動物1匹あたりの評価組織が減少したため、想定より長い実験時間ならびにより多い動物数が必要となった。また、連続照射と断続照射で結果に違いが出ることが判明したことで、断続照射の条件を当初の予定より多く設定する必要性がでたため、小動物に対する近赤外線照射実験に費やす時間が多くなってしまったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は引き続き実験小動物における近赤外線照射実験を継続し、皮膚および皮下組織に有害事象を引き起こさない条件を確認する。同時に黄色ブドウ球菌培地に直接近赤外線照射を行い、照射後の細菌数をカウントすることで、その抗菌・殺菌効果を確認する。つづいて雄Sprague-Dawleyラット14週齢を用いて皮下組織黄色ブドウ球菌感染モデルを作成し、実験小動物における近赤外線照射実験により確認された有害事象を引き起こさない条件と抗菌・殺菌効果をもたらす条件から導かれた適切と思われる条件で感染モデルに照射を行い、感染組織の変化を病理学的に評価するとともに、細菌数のカウントを行う。
|
Causes of Carryover |
感染モデル作成に先立って行っている実験小動物に対する近赤外線照射実験において、想定したよりも多くの照射条件を行う必要があり、時間を要したため、まだ感染モデル作成に至っていない。そのため感染モデル作成に要する黄色ブドウ球菌株等の購入費を2022年度分に繰り越しを行った。
|