2023 Fiscal Year Research-status Report
Cardioprotective effects of new therapeutic agents for heart failure in brain-dead rats.
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21K08958
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
上林 卓彦 関西医科大学, 医学部, 教授 (10273640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 光生 関西医科大学, 医学部, 講師 (80528365)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 移植 / 脳死 / 臓器保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、ポジティブコントロール群としてのデクスメデトミジンの効果を確認した。 デクスメデトミジン5μg/kg/hの持続静脈内投与によって、脳死360分後でも心停止することなく、左室駆出率・dp/dt maxをコントロール群に比べて高く維持することができた。 デクスメデトミジンの投与量を0.1, 0.3, 1, 2.5, 5,10μg/kg/hを投与し、心機能保護効果を比較した。 脳死360分後でも心停止しなかったラットはそれぞれ57%、67%、86%、86%、100%、60%となった。デクスメデトミジン5μg/kg/hの投与で心機能が保護されていた。 α2受容体拮抗薬であるヨヒンビンを投与することでデクスメデトミジンの心機能保護効果が消失する傾向にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デクスメデトミジン5μg/kg/hの持続静脈内投与によって、脳死360分後でも血行動態が維持できることがわかった。 現在、ヨヒンビンによるデクスメデトミジンの効果の拮抗実験を行っており、デクスメデトミジンの作用の特異性が明らかになりつつある。 次年度は他の心不全治療薬を投与して、脳死ラットの心機能への影響をデクスメデトミジンと比較して調べることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
心不全治療薬であるlevosimendan, omecamtiv mecarbi, cimaglermin alfa, urocortin-2, empaglifozinを投与して、脳死導入後の血圧、脈拍、左室駆出率、dp/dt maxの経時的な変化を測定する。 また、各心不全治療薬を投与した脳死ラットにアドレナリン10μg/kgを静脈投与することで不整脈を誘発し、アドレナリン投与後3分間で発生した不整脈の種類・頻度・持続時間を比較する。 デクスメデトミジン群と同等以上の心機能保護、抗不整脈作用をしめした薬剤について、投与した群の左心室の心筋組織を採取する。ウエスタンブロッティングを行い、PI3kinase-Akt経路に関わるタンパク質の発現・リン酸化を定量し、コントロール群と比較することにより各種薬剤の強心作用・心筋保護作用に関与するメカニズムを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
心機能測定用の圧カテーテル・容量カテーテルを再利用できたため、その分を次年度に繰り越すことができた。 カテーテルは消耗品であり、破損した場合は新規に購入する予定である。
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