2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of integrin-targeted therapy for novel coronavirus-induced ARDS
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21K09070
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今井 寛 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (00184804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20577415)
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SARS-CoV-2 / ARDS / β1インテグリン / ACE2 / 肺上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)におけるサイトカインストームを抑制する根本的な治療方法は、現在のところ確立されていない。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)は、そのエンベロープ上に存在するスパイク糖タンパク質を介して、宿主の細胞に感染する。このスパイク糖タンパク質は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と結合し、主に肺上皮細胞に侵入するための受容体として機能することが知られている。さらに、インテグリンといった細胞接着分子の一部は、特定のリガンド(配位子)としてアルギニルグリシルアスパラギン酸(RGD)配列を認識し、SARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質とも結合する可能性が示唆されている。我々は、β1インテグリンが、ヒト肺上皮細胞株やマウス肺胞上皮細胞において多く発現しており、このβ1インテグリンがSARS-CoV-2のスパイクタンパク質と結合することを確認した。 本研究成果により、β1インテグリンがACE2とは独立してスパイクタンパク質と相互作用することが明らかになった。したがって、β1インテグリンはSARS-CoV-2の代替受容体として機能する可能性があり、この分子を標的とした治療法の開発が進めば、ウイルス感染の予防やARDS(急性呼吸窮迫症候群)の発症予防に寄与する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
β1インテグリンがSARS-CoV-2の代替受容体として機能し、ウイルス感染予防のターゲットとなる可能性が示唆する実験結果を得たため、順調に実験が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後コロナ患者検体40名(90%以上が気管挿管患者)の解析を行う予定。
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Causes of Carryover |
理由)患者検体を集めていたため実験室での実験費用がかからなかったため。 今後の使用計画)患者検体の解析を実験室で行う。そのための実験試薬の費用に充てる予定。
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