2021 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤再発予防に向けた数値流体力学解析によるステント併用コイル塞栓術の開発
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21K09120
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
見崎 孝一 金沢大学, 附属病院, 講師 (20507082)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / 数値流体力学 / 再発 / 血管内手術 / ステント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数値流体力学的解析結果を脳動脈瘤に応用することで、血管内手術後の脳動脈瘤の再発の防ぐ治療を提唱することである。再発の因子として動脈瘤にかかる強い圧力が関連することを数値流体力学的解析で発見し複数の論文に発表した(Misaki 2021 J Neuroendovasc Ther, Misaki 2021 J Stroke Cerebrovasc, Uno&Misaki 2021 Neuroradiol)。この再発関連因子を抑えて再発を防ぐ方策として有効と考えられるのは金属の筒であるステントを使用することである。ステントには親血管から動脈瘤内に流れる血流を減弱させる効果があると報告され、特にステントの網の目が細かい特殊なステントはフローダイバーターと呼ばれる。金沢大学脳神経外科で血管内手術を行った脳動脈瘤は年間約60例であるが、そのうちフローダイバーターで治療したものは15例を越え、1年を経過せずに動脈瘤が消失した症例を経験している。コイルを動脈瘤に留置せずに動脈瘤を血栓化させるこのフローダイバーターは研究テーマである動脈瘤再発予防効果を強く有していると考えられる。経験症例で数値流体力学的解析が可能な内頚動脈瘤を解析し、これらの数値流体力学解析から得られたデータと、動脈瘤因子(部位、最大径、ネック径)、ステントに関するデータ(金属被覆率)、治療結果のデータ(動脈瘤消失の時期、残存部位、程度)を調べて関連因子を統計学的に解析した。現在の少ない症例数での解析ではあるが、金属被覆率の低下が動脈瘤の残存と有意に関連することが判明している。これは数値流体力学解析による圧力の低下作用に寄与すると考えられる。今後は症例数を増やしてステントの動脈瘤消失や再発の関連因子をさらに解析して効果的に動脈瘤を治療できるステントの使用方法を治療前に計画できるシステムを構築する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で診療がある程度制限される中で動脈瘤に対する血管内治療を行えており、少ない症例ではあるが解析結果が出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点での解析結果は当初の予想に近いため症例を増やして解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため研究の進行が若干遅延したため使用額が計画よりも少なくなった。コロナ禍が収束した時点で計画に近づくように研究を遂行する。
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Research Products
(11 results)