2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of therapeutic agents for glioblastoma based on the synthesis of bronanserin metabolites and new derivatives
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21K09142
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
清水 忠 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (40509022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (10379399)
大森 志保 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (90379488)
中尾 周平 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (90868605)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブロナンセリン / 膠芽腫 / 代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大規模観察研究と化学構造からスクリーニングより見出したブロナンセリン(BLO)を鍵化合物として,1) BLOの既知および推定代謝物の網羅的な合成,2) BLOをシード化合物とした新規誘導体の探索合成により,BLOの本作用となる抗統合失調症作用を減弱し,抗がん作用を増強させた新規膠芽腫治療薬を創製することを目的としている。 2021年度の研究では、まず、膠芽腫に対するブロナンセリン(BLO)の活性発現機構の解析を行った。BLOの膠芽腫細胞に対する細胞生存率試験では,BLOは膠芽腫細胞(U251, U87, T98G)の悪性度に関係なく増殖抑制能を示した。また、BLOと種々の細胞死抑制剤(Z-VAD, Nec-1, Fer-1, IM-54)との競合試験を試みたところ、BLOによる増殖抑制効果の減弱はなく、細胞死が強く関与していないことを示唆した。さらに、BLOが有するドーパミン受容体拮抗作用と細胞増殖抑制作用との関連性を調べるために、3種のD2受容体活性化薬との競合実験を行ったところ、D2拮抗作用の有無に関わらず増殖抑制活性を示すことを明らかとした。さらに、U251細胞に対して遊走抑制活性示すことを明らかとした。さらに、BLOの増殖抑制作用と細胞骨格形成経路との関連性を検討した結果、BLOで処理した膠芽腫細胞のアクチンフィラメント形成が減弱することを見出した。また、より高活性なBLO代謝物およびBLO誘導体の探索研究は、当初の予定よりも合成化合物数が少なかったものの、代謝物の1つがBLOよりも3倍程度強い活性を有することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定したBLOの膠芽腫細胞増殖抑制メカニズム研究は論文投稿まで至っており、予定以上の成果が得られている。一方、代謝物および誘導体合成の合成化合物数が予定よりも少なかったため、やや遅れているとした。しかしながら、BLOよりも活性の強い代謝物の同定まで至っており、最低限の成果は得られたものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究では、2021年度に同定できた代謝物の活性メカニズムおよび薬物動態プロファイルの研究を進めると共に、有望な化合物が見つかっていない探索合成研究を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
2021年度の研究は、2020年度の研究準備段階で購入した試薬で実施可能であったため、次年度使用額が生じた。2022年度は、代謝物の薬物動態プロファイルおよび誘導体の探索合成において執行する計画である。
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