2022 Fiscal Year Research-status Report
質量分析による脳動脈瘤組織解析:アラキドン酸を中心とした破裂関連因子の同定
Project/Area Number |
21K09188
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
竹田 理々子 帝京大学, 医学部, 教授 (70649847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 大樹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80922608)
栗田 浩樹 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70262003)
榎元 廣文 帝京大学, 理工学部, 准教授 (30609392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アラキドン酸 / リノレイン酸 / 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / 脳動脈瘤モデル / オレイン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「アラキドン酸(AA)の蓄積が動脈瘤破裂のトリガーまたは予測因子になりうる」と仮定し、動物動脈瘤モデルを用いて破裂とAAの関連を明らかにすることを目的としている。 21年度はまず動物実験を開始すべく環境(倫理委員会申請・承認、麻薬研究者免許申請・取得、機器・薬剤購入)を行った。その後マウス脳動脈瘤モデルを作成した。30匹のマウス(C57BL/6J)に対して誘導を行い、このうち21匹に動脈瘤を認めた。 22年度はこのモデルでできた動脈瘤に対して、コントロール3匹とともにDESI-IMSによる質量分析での解析を進めた。この解析は分担研究者の榎元廣文先生(帝京大学・理工学部)に実際の分析をお願いしている。全ての検体の分析が終了していないため下記は途中経過である。 脳内にはアラキドン酸と一部のアラキドン酸含有リン脂質、また部分的にDHAを認める。動脈瘤本体にアラキドン酸の発現は認めていないが、動脈瘤頸部にはアラキドン酸の前駆物質であるリノレイン酸と、オレイン酸の発現を認めている。アラキドン酸含有リン脂質はを始め、リノレイン酸、オレイン酸、DHA含有リン脂質はいずれも動脈瘤頸部には見られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質量分析を行っている帝京大学宇都宮キャンパスへ頻回に行けず、またオンラインでは打ち合わせ(実際に検体のどこを切片とするか、など)が難しい点もあったことで予定検体の質量分析が22年度中に終わらなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの検体の質量分析を進め結果を解釈しまとめる。
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Causes of Carryover |
22年度の研究の中心は質量分析であったが、分析装置や必要機器は既に分担研究者の施設に揃っており新たに購入する必要がなかったため。また分担研究者との打ち合わせもオンラインが中心となり交通費なども計上されなかったため。
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