2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative treatment for spinal cord injury using next-generation exosomes
Project/Area Number |
21K09231
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
廣田 亮介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10815434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 龍之介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00894065)
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
栗原 康太 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20855803)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
小原 尚 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20919732)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 骨髄間葉系幹細胞 / 神経トレーサー / 組織透明化 / 皮質脊髄路 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの皮質脊髄路(CST)は大脳皮質運動野から投射し、延髄で交差した後に脊髄へ下行する。CSTは、脊髄後索の深部を通る主要なmajor CSTに加え、腹側・外側を通るminor CSTsで構成され、運動機能に関与すると言われている。本研究では、MSCの経静脈投与後の実験的SCIラットにおけるCSTに惹起される軸索の再生パターンを神経解剖学的手法で詳細に解析した。雄性ラット(SD, 250-300g)の胸髄にIHインパクターを用いて脊髄に150kdynの挫滅を加え、脊髄損傷モデルを作製した。MSC群に対しては、受傷翌日にMSCs 1.0x106 cellsを大腿静脈から単回投与した。MSC治療の2週後に神経トレーサー (AAV-8-CAG-GFP/tdTomato)を大脳皮質に局所注入し、6週間の観察期間終了後にMSC治療後に惹起される損傷脊髄組織におけるCSTの変化を共焦点顕微鏡で解析した。さらに、組織透明化技術と光シート顕微鏡を併用して脊髄損傷部周囲のCSTの詳細な走行を立体的に観察した。共焦点顕微鏡を用いた解析により、MSC投与群では損傷中心の頭側で後索を走るmajor CSTから脊髄外側や腹側へ軸索が伸長・分枝しており、損傷尾側で脊髄後索の深部のmajor CSTへ分枝していた軸索が再収束していることがわかった 。光シート顕微鏡での三次元的解析では、損傷部頭側で軸索がmajor CSTから脊髄側索と腹側へ伸長・分枝し、損傷部を迂回して再度脊髄後索深部のmajor CSTへ再収束する様子を捉えた。これらの現象はMSC投与群に特徴的であった。本研究は、MSC治療後に脊髄損傷部位で傷害を受けたCSTが軸索ネットワークを再形成することを示した。
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Research Products
(3 results)