2022 Fiscal Year Research-status Report
骨肉腫幹細胞モデルと微小環境のクロストークの解明とそれらを標的にした治療戦略
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21K09317
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武内 章彦 金沢大学, 附属病院, 助教 (70512218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / がん幹細胞 / エクソソーム / 微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでの解析で見出したRAGEによって誘導される骨肉腫幹細胞モデルで、miR34aとWnt5aが重要である点から、骨肉腫幹細胞の微小環境に対する作用、miR34aとWnt5aの微小環境に与える影響をin-vitroで解析し、さらにマウス骨肉腫細胞を免疫保持マウスに移植し、微小環境を標的とした治療薬(免疫チェックポイント阻害薬、マルチキナーゼ阻害薬)と合成miR34aやWnt5a阻害薬を併用することで、がん幹細胞と微小環境を標的とした治療効果を解析し新たな治療戦略創出へと繋げることを目的としている。 2022年度は以下の解析を行った。 1. マウス骨肉腫細胞株であるDunnでマウス型RAGEと内在性分泌型RAGEが発現していることを遺伝子発現解析(RT-PCR)にて確認した。また、高転移株であるLM8よりもDunnの方がマウス型RAGEと内在性分泌型RAGEの発現が高く、Dunnのスフェロイド形成能がLM8よりも高いという結果であった。2. Dunnにヒト型RAGE遺伝子とmockを導入し、安定発現していることを確認した。3.LM8-RAGE、LM8-Mockをマウスに移植し、LM8-RAGEはLM8-Mockよりも移植部位での腫瘍形成脳が高かった。4. 骨肉腫組織(手術検体)におけるa miR-34の発現の解析をIn-situ-hybridizationで症例数を増やして行い、陽性率と臨床経過や原発巣と転移巣での発現率に相関はない印象であったが、発現している部位が症例ごとに腫瘍内と周囲組織で異なっていた。さらにRAGEの染色も追加して、RAGEの発現とmiR-34aの発現の相関を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に、骨肉腫幹細胞とmockのエクソソームの網羅的解析を計画していたが、高転移株のLM8の親株のDunn骨肉腫細胞株にRAGE遺伝子を導入することと、LM8とDunnのRAGE高発現細胞のin vitroのマウス移植の解析をする予定としたため実施しなかった。また、微小環境を形成する細胞との共培養も上記のために2023年度に行う予定とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、LM8-RAGE細胞株とDunn-RAGE細胞株を用いて、vitroでは,miR-34a, Wnt5aの発現解析、エクソソームの網羅的解析、微小環境を形成する細胞との共培養解析を行い、マウスに移植し腫瘍形成・転移能の評価と微小環境を標的とした治療薬(免疫チェックポイント阻害薬、マルチキナーゼ阻害薬)による抗腫瘍効果の解析を予定している。また、骨肉腫の手術検体におけるRAGEとmir-34aの発現を二重染色で解析予定である。
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Causes of Carryover |
培養細胞への遺伝に導入とin vitroとマウス移植実験を優先したため、網羅的エクソソームの解析を次年度に予定し、羅的エクソソームの解析で予定していた予算も次年度に使用する予定としたため。
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Research Products
(8 results)