2021 Fiscal Year Research-status Report
一細胞遺伝子発現プロファイルに基づく骨芽細胞系譜の分化多様性機構の解明
Project/Area Number |
21K09331
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉岡 広陽 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (50523411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉子 裕二 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20263709)
宮宗 秀伸 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (80422252)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨芽細胞は骨形成を担った後,骨細胞や休止期骨芽細胞へと分化するほか,脂肪細胞へと分化転換する例が報告されている。また,逆に,軟骨細胞,脂肪細胞および筋芽細胞が骨芽細胞へと分化転換するとの報告もある。このように多様な細胞運命を辿る骨芽細胞は,多様性に富む細胞集団であると考えられた。実際,一細胞遺伝子発現解析から,骨芽細胞が多様性に富む細胞集団であること,また幹細胞性・可塑性を兼ね備えた骨芽細胞が存在することを見出している。本研究では,骨芽細胞が生み出す分化多様性と可塑性の分子機構を遺伝子発現調節ネットワークから追い求め,骨芽細胞の分化方向性を制御する分子の同定を目指す。 本年度はまず複数のアルゴリズムを用いた機械学習により,骨芽細胞のクラスター分析および分化の方向性を詳細に検討した。これまでに明らかになっている4つのクラスターに加え,Col12a1遺伝子の発現に特徴を示す新規のクラスターを見いだした。Gene ontology解析の結果,このクラスターはATPの合成,細胞外マトリックスおよび細胞接着に働く遺伝子群が他のクラスターと比較し有意に高発現していた。また,各クラスターの細胞のマウス骨組織内での局在を明らかにし,発生・分化過程に与える役割を評価する目的として,免疫組織化学染色を用いた解析を試みている。一細胞遺伝子発現解析から各クラスターの細胞に特徴的な発現を示す遺伝子(マーカー遺伝子)を多数見出しており,細胞の特異性の確認を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学動物実験施設の都合により,動物の搬入に時間を要しており,実験動物を用いた研究に遅れが生じている。また,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により増えた業務が負担となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
一細胞遺伝子発現解析から,各クラスターの細胞に特徴的な発現を示す遺伝子(マーカー遺伝子)を多数見出しており,免疫組織化学染色またはin situハイブリダイゼーション法により,細胞の局在を解析する。特に,幹細胞性を持つ骨芽細胞については,骨の発生・成長が盛んな胎仔期から離乳までのマウスを材料として,骨組織内の時空間的分布を明らかにし,発生・分化過程に与える役割を評価する。また,頭蓋骨あるいは長管骨から骨芽細胞を単離し,初代培養を行い,分化誘導した際の細胞挙動を,免疫細胞染色およびフローサイトメトリー(FACS)による細胞存在比率の解析により評価する。幹細胞性を持つ骨芽細胞が,骨あるいは脂肪分化誘導により,どのような運命を辿るのか追跡を行う。
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Causes of Carryover |
動物の搬入に時間を要しており,実験動物を用いた研究の遅れにより次年度使用額が生じている。また,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延防止のために,共同研究先への訪問などを控えたことも理由である。次年度は,実験動物(マウス),組織学的解析,細胞培養関連物品などの購入に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Single‐Cell RNA‐Sequencing Reveals the Breadth of Osteoblast Heterogeneity2021
Author(s)
Yoshioka H, Okita S, Nakano M, Minamizaki T, Nubukiyo A, Sotomaru Y, Bonnelye E, Kozai K, Tanimoto K, Aubin JE, Yoshiko Y
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Journal Title
JBMR Plus
Volume: 5
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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