2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Novel Therapies for Ovarian Cancer by Targeting the Polyamine Metabolic Pathway
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21K09509
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
太田 剛 山形大学, 医学部, 准教授 (50375341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 智 山形大学, 医学部, 教授 (00292326)
清野 学 山形大学, 医学部, 講師 (40594320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / ポリアミン / オミクス解析 / メタボローム / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、卵巣癌細胞株におけるポリアミンの発現とポリアミン代謝経路阻害剤であるDFMO (α-difluoromethylornithine)による細胞増殖抑制効果の検討を行った。 卵巣上皮由来不死化細胞(VOSE)と卵巣癌細胞株(A2780, A2780CP, RMG-1, TOV21G, ES-2, SKOV-3, SKOV-3ip1, OVCAR3, HAC2, Caov-3)に対して蛍光性試薬であるPolyamineREDで蛍光染色を行い、細胞内ポリアミンの発現を検討した。正常細胞(コントロール)であるVOSEと卵巣癌細胞株でポリアミンの発現に相違は認めず、ほとんどの細胞でポリアミンは強い発現を認めた。卵巣癌細胞株の種類によってもポリアミンの発現に相違は認めなかった。 卵巣癌細胞株(A2780, RMG-1, SKOV-3, Caov-3)に対してDFMOを0, 1, 10, 100, 1000μMで投与してポリアミン代謝経路阻害による細胞増殖抑制効果への影響を検討したところ、未分化癌細胞由来のA2780と漿液性癌由来のSKOV-3ではDFMO100μMでコントロールと比較して有意に細胞増殖が抑制されたが、明細胞癌由来のRMG-1と粘液性癌由来のCaov-3では1000μMで有意な細胞増殖抑制効果を認めた。 今後はDFMOとcisplatin, paclitaxel, PARP inhibitorを併用投与してポリアミン代謝経路阻害剤が抗がん薬や分子標的薬の殺細胞効果を増強するのか検討を進める予定である。また、卵巣癌37例、境界悪性7例、良性31例の腫瘍、唾液、血液、尿を採取してメタボローム解析中であり、結果をみてポリアミン代謝経路が新たな卵巣癌のマーカーとなり得るか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣癌細胞株においてポリアミン代謝経路阻害剤であるDFMOがどの程度の濃度で作用するかbasicなデータを得られた。また卵巣癌細胞株によってポリアミンの発現に相違はないが、DFMOの効果に違いを認めたことも興味深い。今後はポリアミン代謝経路を阻害することで既存の抗がん薬や分子標的薬の効果を高めることができるか検討したい。また臨床検体のデータベースの構築は完了しており、メタボローム解析の結果がでれば患者の臨床病理学的背景とポリアミン代謝経路の代謝産物との関連を検討することが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験結果からin vivoにおけるDFMOの適切な投与量が明らかになった。ポリアミン代謝経路は我々が卵巣癌の薬剤耐性機序として着目した増殖シグナルであるextracellular signal-regulated kinase(ERK)経路と、生存シグナルである phosphatidylinositol 3-kinase(PI-3 kinase)-Akt経路と関連して癌の細胞増殖、血管新生、浸潤能を亢進させることが報告されているので、DFMOと既存の抗がん薬や分子標的薬、特にPARP阻害薬との併用効果に期待して引き続き検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では令和3年度予算からメタボローム解析費を支払う予定だったが、現在解析中であり、令和4年度予算からの支払いになる為、次年度使用が生じた。また、メタボローム解析の他に、抗がん薬や分子標的薬など多くの薬剤を購入して実験を行う予定であり、その購入費用として使用する。
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