2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification and expansion of sensory epithelial stem cell from human inner ear organoid
Project/Area Number |
21K09638
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中村 高志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80724179)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 内耳オルガノイド培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子改変された細胞株を入手し、内耳オルガノイドの培養実験を行っている。過去に報告されたプロトコルに準じて培養を行っているが、内耳感覚細胞(有毛細胞)の誘導効率が十分ではなくプロトコルの修正が必要な状況である。これまで培養過程初期における確認は、主に顕微鏡下での形態変化のみで経験的に行っていたが、プロトコルの修正にあたっては各段階における遺伝子発現を評価する必要がある。過去の報告に照らし合わせて培養初期段階における遺伝子発現を免疫染色で確認する予定である。現在用いているプロトコルでは培養0日目、3日目、5日目、7日目にそれぞれ小分子化合物の投与を含めた細胞塊の処置が必要であるが、0日目を除く各時点において遺伝子発現状態を確認する必要がある。それぞれ胚様体、非神経外胚葉、プレプラコード、耳上鰓予定領域と分化していることを想定しているが、特に非神経外胚葉への分化誘導に必要なBMPシグナル活性化に関しては、内因的なBMPの発現レベルが動物種や細胞種によって異なることが知られており、特に確認と調整が必要な段階である。また現在実験を行っているのは既に遺伝子改変された細胞株であるため、本来用いるべきES細胞とは多能性や増殖能という観点からみて性質が変化している可能性も懸念される。これに関しては、複数の細胞株で再現性を確認することにより対処する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記に述べた通り現在培養プロトコルの修正が必要な状況であり、トラブルシューティングが必要である。これまで培養過程初期における確認は、主に顕微鏡下での形態変化のみで経験的に行っていたが、プロトコルの修正にあたっては各段階における遺伝子発現を評価する必要がある。過去の報告に照らし合わせて培養初期段階における遺伝子発現を免疫染色で確認する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在用いているプロトコルでは培養0日目、3日目、5日目、7日目にそれぞれ小分子化合物の投与を含めた細胞塊の処置が必要であるが、0日目を除く各時点において遺伝子発現状態を確認する必要がある。それぞれ胚様体、非神経外胚葉、プレプラコード、耳上鰓予定領域と分化していることを想定しているが、特に非神経外胚葉への分化誘導に必要なBMPシグナル活性化に関しては、内因的なBMPの発現レベルが動物種や細胞種によって異なることが知られており、特に確認と調整が必要な段階である。また現在実験を行っているのは既に遺伝子改変された細胞株であるため、本来用いるべきES細胞とは多能性や増殖能という観点からみて性質が変化している可能性も懸念される。これに関しては、複数の細胞株で再現性を確認することにより対処する予定である。
|
Causes of Carryover |
現在実験の進行がやや遅れており、予定通りの使用額には達していない。プロトコルの修正に向けて免疫染色による遺伝子発現の確認が必要であり、本年度は多くの抗体の購入が必要になる見込みである。
|