2023 Fiscal Year Annual Research Report
Animal study to regenerate thin keratinized glabrous skin for vermilion reconstruction
Project/Area Number |
21K09761
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杠 俊介 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10270969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高清水 一慶 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00793019)
永井 史緒 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (10794620)
常川 主裕 信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (30625778)
細見 謙登 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (90793787) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 赤唇 / 無毛様皮膚 / 皮膚移植 / 組織学 / 動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
赤唇再建にむけ、これまで判明した赤唇皮膚の特徴である角化した薄い無毛皮膚を動物実験を通して作製することを目的として行った。始めに、皮膚厚が薄く、皮膚付属器が少ない部位を特定するために、マウスの各部位の皮膚を調査した。その結果、耳介皮膚が最も近いことが判明した。また体毛が無いヘアレスマウスの皮膚も移植に用いた。Scidマウス背部の筋体上に採取した各部位の皮膚を移植したところ、生着後はいずれの皮膚もわずかに赤いものの、全体的には白みを帯びており赤唇のような色調ではなかった。角化評価のために施行した免疫染色ではCK5, CK10, involucrinの発現は移植前後での変化は認めなかった。白みを帯びていた原因として、瘢痕形成も考えられたが、組織学的に瘢痕組織は少なく、むしろ移植皮膚に残存するメラニン色素や未熟な脂腺や毛包の影響が考えられた。 そこで、赤唇皮膚自体をマウス筋体上に移植して同様の色調を呈するか実験を行った。マウスおよびニホンザルの口唇部の組織学的検討を行った結果、いずれの動物種においても口腔粘膜から皮膚へ移行する上皮直下に筋体が存在し、CK10陽性、CK4陰性の部位があることを見出した。つまり、ヒト同様にマウスやニホンザルにも赤唇の組織学的特徴を有する部位が存在することが判明した。しかし、マウスの赤唇は幅0.2mmと狭く、移植には困難であったため、ニホンザルの赤唇皮膚(幅3mm程度)を移植することにした。生着後3か月経過しても移植したサルの赤唇皮膚は一緒に移植した白唇皮膚に比べ赤味を帯びていた。 赤唇は皮膚付属器の無い薄い無毛皮膚を筋体上に移植することで、同様の色調を有する組織を作成できることが示唆された。またヒトだけでなく、ニホンザルやマウスにおいても赤唇の組織学的特徴(CK10陽性、CK4陰性、上皮直下に筋体)を有する部位が存在することを見出すことができた。
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