2023 Fiscal Year Annual Research Report
エピプロフィンによる上皮間葉転換制御機構を応用したがん治療と器官原器複製術の開発
Project/Area Number |
21K09813
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 卓史 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90585324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 はな 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (30385827)
若森 実 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50222401)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エピプロフィン / がん細胞 / 歯原性上皮 / 上皮間葉転換 / 神経制御 / 発生生物 / 病態発症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、器官形成期に一部の細胞集団が一塊となり細胞遊走能を獲得し間葉組織へと陥入し器官原器を形成する機構の解明のみならず、1つの歯堤から複数の 歯胚や後続永久歯胚の形成機構、毛包器官のself-renewing機構の解明の一助になる。また、がん細胞がEMT状態へ移行し、細胞遊走能を活性化しそして転移する 新たなメカニズムの解明にもつながるのではないかと考えている。また、本研究は転移しないがん細胞への形質転換治療という新たな治療法や器官原器数を増やす器官再生技術の開発を目指し、Epfnの発現制御に関わる小分子化合物をリード化合物として誘導体を合成し、新規物質の創製などへの研究の発展性もある。上 皮細胞が移動能を有する間葉細胞に転換する上皮間葉転換(Epithelial to mesenchymal transition; EMT)は、胚の初期発生や器官形成に重要である。この現象は発生時のみならず、創傷治癒、腫瘍細胞の転移などでも起こり、EMTに関連する蛋白は、がんのバイオマーカーにも使われている。転写因子エピプロフィン(Epfn)発現が欠失した上皮および歯原性上皮細胞は、細胞移動能が亢進し間葉への上皮陥入が継続する。つまりEpfnはEMTを負に制御していることが示唆される。以上のことから本研究では細胞遊走・移動におけるEpfnの役割解明を目的とする。さらにEpfn発現を人為的に操作し上皮細胞の遊走を制御することにより、 新たながん治療法や器官原器複製による再生技術の開発基盤となる知見獲得を目指す。
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Research Products
(2 results)