2023 Fiscal Year Research-status Report
新規軟骨老化促進因子CCN3の加齢に伴った発現誘導と細胞周期停止機構の解明
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21K09815
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00228488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (30322233)
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10457228)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 変形性股関節症 / RNA-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)の発症機構を解明する目的で、以下の結果を得た。 ①OAによる人工関節置換手術(OA群)と大腿骨頭骨折(正常群)によって得られた患者由来の大腿骨頭軟骨組織から初代培養軟骨細胞を調製し、回収した16サンプルのRNAを用いてRNA-seqを行い、遺伝子の網羅的発現解析を行った。昨年度までの実績で荷重の有無と遺伝子発現に有意な差が観察されなかったことから、荷重の有無は考慮されなかった。Differentially Expressed Genes (DEGs) 解析より262 の遺伝子の発現の違いが観察され、67遺伝子がOA群で有意に発現上昇しており、195遺伝子がOA群で発現低下していた。Over Representation Test では、「ossification」や「regulation of cellular component size」に区分される 遺伝子群がOA群で発現上昇しており、一方で「response to peptide hormone」や「response to lipopolysaccharide」遺伝子群がOA群で発現低下していた。 ②これらの結果をもとに幾つかの遺伝子について定量RT-PCRによって遺伝子発現の変化を確認した。 ③患者組織標本を用いた免疫染色で、軟骨組織の染色、OA群と正常群との染色性の違いを確認した。 ④マウスOAモデルを作製し、継時的にOAが形成されることをμCTおよび組織化学的解析によって確認し、また、軟骨組織より直接RNAを回収し、遺伝子発現の変化が再現されることを確認した。 以上の結果を国際科学情報誌に投稿するための準備を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はRNA-seqによる網羅的遺伝子発現を行うことを当初から計画しており、順調に解析が進んでいることから「おおむね順調に進展している」とした。現在論文投稿のための準備中ではあるが、本研究課題の期間を超えての投稿になるため、「おおむね順調」と判断した。論文投稿のための経費を次年度に使用するため、経費を繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
先に記述した通り、現在成果をまとめ、国際情報誌に発信する予定である。
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Causes of Carryover |
現在作成中の論文の英文校正、投稿のための経費が必要とされるため、次年度に繰り越すこととした。
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