2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌の間質浸潤と側方上皮内進展:その相反的制御と分子基盤
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21K09841
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 達也 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70634856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 講師 (10547516)
田沼 順一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20305139)
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / ladinin-1 / RNA-seq / transcriptome 解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌培養細胞株 HSC-4 において LAD1 の発現抑制下での WNT5A の発現変動がみられたことから, LAD1と WNT pathway の関連性を検討することとした. pathway 関連遺伝子候補として, WNT5A とともに発現増加のみられた ROR2 遺伝子の siRNA 法での発現抑制を, 複数の市販 siRNA 試薬を用いて検討したが, 十分な発現抑制効率は得られなかった. 現在, ROR2 発現抑制のための代替方法とともに, WNT5A 中和抗体等を用いた WNT pathway の阻害を検討中である. また, WNT pathway 以外の signalling pathway が関連している可能性も考慮して, HSC-4 における LAD1 発現抑制細胞について, 非抑制細胞を対照サンプルとして, 次世代シーケンサーによる RNA-seq を用いた transcriptome 解析を行った. その結果, LAD1 発現抑制細胞で発現増加を認める遺伝子群は, gene ontology 解析において, 細胞接着性, 細胞分化に関わる可能性が見出された. また, 発現変動を示す遺伝子の一部のクラスターでは, 細胞遊走に関する遺伝子の enrich が認められたことから, LAD1 の発現変動が細胞遊走に関与し, その背景に WNT pathway が関連しうるという仮説を支持する所見が, transcriptome レベルでも得られた結果であった. これらの発現変動を示した遺伝子群やその制御に関わる転写因子について, 今後さらに詳細な検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
WNT pathway の関連性は, 現在検討が進行中であるが, transcriptome 解析により, 包括的な遺伝子発現プロファイルの解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
transcriptome 解析の結果, 発現変動を示した遺伝子群やその制御に関わる転写因子について, より詳細な解析を行うほか, WNT pathway の関連性について, ROR2 発現抑制のための代替方法や, WNT5A 中和抗体等を用いた WNT pathway の阻害法を検討・実施する予定である. また, LAD1 による癌細胞遊走性制御に高い関与が考えらえる候補分子については, 病理組織検体を用いた検討も行う予定である.
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Causes of Carryover |
RNA-seq 解析などを並行して行ったほか, 当初の研究計画を変更ししたことで, 未使用額が生じた. 未使用額は次年度へと繰越し, 当初計画の実施のため使用する予定である.
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Research Products
(2 results)