2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a new surface treatment for adhesive resins using dental lasers and its application to coronal restoration
Project/Area Number |
21K09880
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 雅也 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10409237)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CAD/CAMレジンブロック / エルビウムヤグレーザー / 被着面処理 / 接着強さ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度はレーザー表面処理後のCAD/CAMレジンブロックの接着強さと表面粗さについて評価した。 3.5mm厚に切断したCAD/CAMレジンブロック(セラスマート300、GC)の表面を#600SiCペーパーで研磨して標準面とした。表面処理はレーザー照射、レーザー照射+サンドブラスト(SB)、コントロール(ネガティブ:未処理、ポジティブ:SB)の3種類とした。レーザーはEr:YAGレーザー(アーウィンアドベールEVO、モリタ)を照射出力50~300mJ、繰り返し速度10pps、照射距離は0.2mmで用いた。2つの試料をレジンセメント(ジーセムONE、GC)で接着し、24時間保管後、角柱型ビームを作製して微小引張り接着強さ試験(小型卓上試験機 EZ Test、島津)を行った。表面粗さ試験は、表面粗さ測定機(サーフコムA470、東京精密)を用いた。 接着強さは、100(mJ):11.05(MPa)、200:16.09、300:10.88、50+SB:39.99、100+SB:53.01、200+SB:43.86、300+SB:44.73、ポジティブ:43.76、ネガティブ:20.61であった。表面粗さは、50(mJ):0.35(μm)、100:2.24、150:8.68、200:13.10、300:測定不能、50+SB:2.19、100+SB:5.20、150+SB:7.60、200+SB:9.88、300+SB:11.12、ポジティブ:1.60、ネガティブ:0.69であった。 レーザーのみの場合は1ppsのエネルギーが低い方が接着強さは高い傾向がみられたが、ポジティブに比べてすべての群で低かった。一方、レーザー+SBの場合、100mJでポジティブより高い接着強さが得られた。表面粗さはエネルギーが増加と共に大きくなったが、SB後はやや減少した。今後は接着耐久性の評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、試料をムービングステージに設置してレーザー照射を行う予定であったが、試行錯誤を繰り返したものの機器がうまく作動せず、変更することとなった。本研究では被着面全体に均一にレーザーを照射することが結果を左右するため重要となるため、新たな照射方法を模索するのに多少の時間を要した。結果的に臨床により近い方法で行えるように改善されたと考えている。また、その他の業務(教育など)の多忙により、予定に比較してやや遅延した。ただし、研究内容に大きな変更はなく、令和4年度以降の研究の遂行に支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験方法を上記のように若干修正することとなったが、実験内容に変更はなく、計画に従って進める予定である。すなわち、接着試験で対照群と同等以上の結果が得られた実験条件に対して温度負荷(サーマルサイクル負荷試験)を与え、接着の劣化の有無とその程度について比較・検討する。さらに、被着体となる材料を変えて同様に一連の評価を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和3年度に接着試験機の専用ソフトウェアを新規にインストールする予定であったが、同接着試験機を用いて一昨年から研究を継続している者がおり、ソフトウェアを変更すると結果に影響を及ぼす可能性があるため購入を一時的に中止した。これにより、次年度使用額が生じることとなった。 (使用計画) 上記の研究は終了しているため、本課題に必要となる物品は順次を購入する予定である。
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