2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌骨破壊病変における知覚神経と癌細胞の相互作用メカニズムの解明
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21K10071
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
奥井 達雄 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40610928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00170663) [Withdrawn]
志茂 剛 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40362991)
米田 俊之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (80142313)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨代謝 / がん骨破壊病変 / 知覚神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は乳癌細胞を脛骨の骨髄腔に注入し作成した骨痛モデルマウスを用いて, 癌性骨痛のメカニズムを検証した. 乳酸トランスポーターであるモノカルボン酸トランスポーター4 (MCT4)の発現を抑制した癌細胞を骨髄内に移植したマウスは, 通常の癌細胞を注入したマウスと比べて, DRGにおけるERKならびにCREBのリン酸化が減弱し, 骨痛が減少することが明らかになった. さらにこのモデルマウスの骨髄内の乳酸濃度が減少することが明らかになった. in vitroにおいて知覚神経における乳酸のオーファン受容体であるGタンパク質共役受容体81(GPR81)発現を抑制すると, 乳酸によるERKリン酸化と細胞内へのCa2+流入が減少し,知覚神経細胞の興奮が抑制されることが明らかになった. これらの結果から, MCT4を介して乳癌細胞から放出された乳酸は, 感覚神経細胞のGPR81の活性化を介して骨痛を誘導することが示唆された. 上記の内容を2023年5月にInternational journal of oncology 誌に掲載した. さらに上記研究を継続し、乳酸が脂肪、筋細胞の減少を誘導することが他家からの報告で明らかになっており、本現象に関して、GPR81がどのような役割を持つのかを検討を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究遂行は問題なく行えており、論文掲載された。 そしてさらに本研究を推進させがん悪液質に関する検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
乳酸が知覚神経の興奮に与える影響のみならず、がん悪液質に関する検討を行っている。
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Causes of Carryover |
論文作成ならびに学会における発表を行う
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